11月7日。阪神では高橋、才木、岡留の3投手が誕生日を迎え、虎党の間でも話題になった。阪神高橋遥人投手にとっては30歳の…
11月7日。阪神では高橋、才木、岡留の3投手が誕生日を迎え、虎党の間でも話題になった。阪神高橋遥人投手にとっては30歳の誕生日となった。身体が資本の野球選手。今年8月上旬、節目の年齢をどう捉えているのか本人に尋ねたことがあった。
「あぁ、どうも思っていない。『もう30歳か』とは思うけれど、野球の面では何も思わないかな。年齢が上がって、後輩がいっぱいいるなというぐらい」
たび重なる手術を経験してきた中、身体の変化なども「別にないかな」。いたって自然体だった。チーム内にも同学年は多数在籍。特に大竹は、同じ先発左腕で意識する部分もありそうな存在だ。それでも、長いリハビリを通じて自分自身と向き合ってきた男にはブレない考えがあった。
「(大竹)耕太郎は耕太郎でめちゃすごい。練習の姿勢とか考え方は自分より全然、大人。参考になるところはたくさんある。けれど、自分は自分の求める姿を追いたいというか」
昨オフに行った「左尺骨短縮術後に対する骨内異物除去術」から復帰した今季。左腕に埋まっていた約8センチの金属プレートを除去する手術だ。自身5度のメスを経て“完全体”となった今、「追い求める姿」とはどこにあるのか。
「それは前の自分かな。(復帰後は)新しい自分とか感じたりする人もいるかもしれないけれど、自分はまず前の自分に戻りたい」
具体的に見据える姿は2年目の19年から3年目の20年。まだ手術を経験する前、10試合以上に先発した唯一の2年間だ。今季も8試合に先発して防御率2・28。それでも過去に比べると足りていない部分は「全部」と言い切っていた。
「前の自分に戻るためにこれだけ手術してきて、いろんな人に協力もらっているから。戻ってからかな、そのあとは」
今オフは約5年ぶりにリハビリやケガなく練習に打ち込める。30歳として臨む26年こそ、理想の姿を取り戻す。【波部俊之介】