<日刊アマゴルフ2025 第51回全日本シングルプレーヤーズ選手権全日本大会最終日>◇7日◇兵庫・六甲国際GC東C(71…

<日刊アマゴルフ2025 第51回全日本シングルプレーヤーズ選手権全日本大会最終日>◇7日◇兵庫・六甲国際GC東C(7193ヤード、パー72)◇出場141人(棄権1人)◇晴れ、気温18度、湿度51%、北の風4メートル

井出太陽(21=大阪学院大)が、大逆転で全日本初優勝を飾った。5打差19位から出て4バーディー、ノーボギーの68で回り、通算1アンダー。143で並んだ中山飛翔(32=ロータリー)とは、マッチングスコアカード方式により井出の優勝が決定。中山が25歳以上のミッド1位、55歳以上のシニア1位は武田心一(60=長岡)が輝いた。

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大院大3年の井出が、5打差を逆転して悲願の日本一に輝いた。「前日はふがいないゴルフ(スコア75で19位)だったが、今日はできすぎ。自分でもびっくりするようなスコアが出てうれしい」。昨年10位の21歳は優勝杯を掲げ、最高の笑顔を披露した。

プロツアーでも使用される名門コース。トップアマとはいえ、7193ヤードの距離や難しいピン位置に苦しみ、通算のアンダーパーは2人だけ。出だし3連続で短いバーディーパットを外したものの、「逆にシビアなパーパットを決められた。後半になって優勝を意識した」と納得の表情だ。

10月末の全日本大学選手権男子団体で、大院大は2大会ぶり2度目の優勝を飾った。卒業後はプロを目指す井出は、メンバーに入れなかったが「この大学で上位にいれば、他で負けることは少ない」。同学年の小林匠(21)が、今週のプロツアーACNチャンピオンシップで首位発進したことも刺激になった。

飛距離は280ヤードと平均的だが、正確なショットや「不得意があまりないところが長所」と、総合力で勝負する。平田憲聖(24)らトッププロを輩出し続ける名門から、新たなスター候補が誕生した。

◆井出太陽(いで・たいよう)2004年(平16)8月23日、長野県南佐久郡川上村生まれ。7歳からゴルフを始め、県立小海高から大院大に進学。今年の関西オープンでプロツアー初挑戦し「予選落ちでも、気持ち的には手応えを感じた」。172センチ、63キロ。

○…中山は優勝した井出と通算スコアで並んだが、この日のスコアで優劣がついて2位となった。それでもミッド1位を獲得し「いいゴルフをしても、なかなかパターが入らなかった。距離の問題はなかった」と振り返った。上位は高校、大学生が占めたが、32歳のベテランが踏ん張った。「若い子は若い子。難しく考えていません」と、マイペースで今後も全国で上位を目指す。

○…佐野日大高2年の齋藤旬一(16)が1打差で3位に入った。3打差5位から出て、前半の3バーディーで優勝争いに加わった。後半に2つスコアを落としたものの、豊かな将来性を示した。「初日の1オーバーが、自分的には良くなかった」と反省しつつ、「将来はPGAで、シードを取ってしっかり戦える選手になりたい」。現状では高校を卒業するタイミングでのプロを目指している。

○…シニア1位に輝いた60歳の武田は「信じられない。いいコースで楽しくプレーでき、幸せでした」と喜んだ。前日は2バーディー、この日はなし。それでも「2オンできない長いホールは、バンカーに注意し、刻んで、寄せるマネジメントを徹底した」。通算11オーバーだが、難コースで全体の25位は胸を張れるもの。群馬・安中市から神戸市への遠征で、尊い経験を重ねた。