ビッグマッチ実現へ、ボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥（32＝大橋）が元WBC、IBF世界バンタム級王者…

ビッグマッチ実現へ、ボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥（32＝大橋）が元WBC、IBF世界バンタム級王者中谷潤人（27＝M・T）と初競演する。12月27日のサウジアラビアでの興行「THE　RING　5：NIGHT　OF　THE　SAMURAI」で、WBC世界スーパーバンタム級2位アラン・ピカソ（25＝メキシコ）との防衛戦に臨むと7日、発表された。26年5月に対戦を約束する中谷は同級転向初戦でWBC世界同級9位セバスチャン・エルナンデス（25＝メキシコ）とのノンタイトル戦が決定。中谷戦に向け、KO劇ではずみをつけるつもりだ。

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4階級制覇を目指す中谷は“対モンスター仕様”でスーパーバンタム級転向初戦に臨む。来年5月の井上戦の前哨戦となるエルナンデス戦に「（バンタム級王座返上は）体重もきつくなってスーパーバンタム級の方がいい戦いができると思ったから。スピードもパワーも上がっているので楽しみ」と自分に期待した。

相手は20戦全勝（18KO）を誇る無敗の強打者。「すごくパンチがあり、集中力のいる試合になる。気が引き締まる」と警戒している。一方で「もちろん来年5月の試合は見据えている。これまで戦ってきた1戦1戦の延長上にビッグマッチがある」と、井上戦をしっかりと意識していた。

31戦全勝で24KOとサウスポーから繰り出す強打が持ち味だが、同じく31戦全勝で27KOの“モンスター井上”と打ち合うことはリスクが大きい。来年のビッグマッチも見据えてエルナンデス戦は「パンチに過信せず、ボクシングの技術を磨いて、手数を出して相手にダメージを与えて試合をコントロールしたい。成長をお見せできると思う」。会見後、1カ月に及ぶ恒例のスパーリング合宿のため米ロサンゼルスに出発した。【首藤正徳】

◆サウジアラビア興行開催の意義　同国総合娯楽庁のトゥルキ・アラルシク長官（44）からの肝いりオファーを受け、井上は昨年11月、同国総合娯楽庁のプロジェクト「リヤド・シーズン」と推定総額30億円のスポンサー契約を締結。今年が両国の外交関係樹立70周年を迎える記念興行として同長官から試合オファーも届いた。さらに日本－メキシコ対抗戦をイメージし「ナイト・オブ・ザ・サムライ」と銘打って、中谷、寺地の世界トップ級をはじめ、成長著しい今永、ともに世界ユースVの実績を持つ堤兄弟という次世代のホープの試合がマッチメークされた。