偉業への道筋が見えた。日本相撲協会は7日、九州場所(9日初日)の取組編成会議を会場の福岡国際センターで行い、初日、2日目…

偉業への道筋が見えた。日本相撲協会は7日、九州場所(9日初日)の取組編成会議を会場の福岡国際センターで行い、初日、2日目の割を決めた。横綱大の里(25=二所ノ関)は初日に小結高安、2日目に東前頭筆頭伯桜鵬と対戦する。いずれも難敵ながら、好発進すれば優勝争いに絡むことは、幕内での過去11場所が証明。年6場所制となった58年(昭33)以降では史上10人目、日本出身では96年貴乃花以来、29年ぶりの年間4度目の優勝に挑む。

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「唯一無二」の存在を目指す大の里が、再び歴史に名を刻む15日間が迫ってきた。この日は福岡市の部屋で、本場所用の締め込みを着け、四股などの基礎運動で汗を流した。初日を2日後に控え、相撲を取らず、泰然自若の調整で幕内11場所で5度の優勝。横綱として初優勝した先場所に続いて賜杯を抱けば、幕内での優勝確率は12場所で6度と驚異の5割に到達する。先月末の番付発表から目標に掲げる、年間4度目の優勝へ「初日に間に合うよう、しっかり準備したい」と、堂々と胸を張って話した。

年間4度の優勝は、年6場所制で過去9人しかいない。いずれも通算10度以上優勝、時代を彩った名横綱ばかりだ。大鵬、北の湖、千代の富士、曙、貴乃花、武蔵丸、朝青龍、白鵬、照ノ富士。日本出身では29年ぶりの偉業への挑戦権を、初土俵からわずか2年半で得た。初優勝も大関&横綱昇進も史上最速。すでに今年、年間最多勝の初受賞を決めている異次元の強さで10人目に名を刻む決意だ。

毎場所優勝へのカギに挙げるのが序盤戦の戦いだ。この日相手が決まり、初日の高安には初顔合わせから2連敗、2日目の伯桜鵬には現在2連敗中。難敵が続くが「相手どうこうではない。自分自身がしっかり、やるべきことをやるだけ」と、自分との戦いと考えている。だからこそ10月のロンドン公演も、早めに会場入りして四股を踏むなど、体づくりを怠らなかった。名横綱への道は、現実味を帯びている。【高田文太】