◇国内女子◇富士通レディース 初日(17日)◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉)◇6697yd(パー72)◇晴れ(観…

国内ツアー初の首位発進(Atsushi Tomura/Getty Images)

◇国内女子◇富士通レディース 初日(17日)◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉)◇6697yd(パー72)◇晴れ(観衆2389人)

唯一のボギーが最終18番で来た。手応えを残したパーパットがカップのふちをクルッと回って外れ、渋野日向子は「いや、入ったと思ったんですよ。超カッコワリーじゃん」と口をとがらせても笑って受け入れた。「でも、なんかそういうところが自分らしいかな。自分の打ちたいところには打てたんで…っていう割り切りができるパッティングの状態だった」。この日の合計25パットで感じた好フィーリングは、ひとつのボギーで帳消しになるものではなかった。

7個を量産したバーディは、6番のチップインとパー5の7番を除いていずれも3m以上の距離を沈めたもの。出だし1番(パー5)、2番で立て続けに決めた7m、14番で上からねじ込んだ6mなど、カップ際まで転がりの良さが光った。

グリーン上がさえたことで、「50パーくらいの感じだった」というショットにも好影響が出ることを実感した。「それ、すごい思いました。いままではチャンスと思えなかった5mのバーディパットが、きょうの感じだと思えるんだろうなっていう見本みたいなゴルフができた」。ショットに対してミスの許容範囲を広げられることで、明らかにプレーのリズムが良くなる。「ショットメーカーにもなりたいけど、私は(周囲から)『パットで流れを作る人だと思うよ』って言われ続けてきたので」とうなずく。

パットが入った!(Atsushi Tomura/Getty Images)

14日(火)に足を運んだ『エンジョイゴルフ ゴルフスタジオ&パッティングラボラトリー福岡』では、コンビニエンスストアのサンドイッチで食事を手早く済ませるほど寸暇を惜しんで3時間レッスンを受けた。朝のパッティンググリーンから目立ったのは丁寧なセットアップ。ラインに対するボールの置き方、フェース面を合わせてからの落ち着き…。構え自体もハンドファーストや前傾がかなりきつくなっていた時期に比べ、自然に立っている印象がある。

日米ツアー5試合連続予選落ちと苦しんでいた状況から、「66」で国内ツアー自身初の首位発進。早くも現れたレッスンの効果に「自分でちょっとビックリしてますね。もっと早く行けば良かったと思うし、もっと早く知っとくべきだったと思うし…」と言ってから表情を引き締める。「まだ1日目で、あと2日ある。ホントに何が起こるか分からない自分なので。でもやっぱりチャンスはつかみたいので、頑張りたい」。トーナメントリーダーの重圧とともに臨む2日目のプレーも、米ツアーではい上がっていくための試金石になる。(千葉市緑区/亀山泰宏)