<高円宮杯U-18プレミアリーグ西地区:G大阪ユース1-2鳥栖U-18>◇11日◇第17節◇OFA万博フットボールセンタ…
<高円宮杯U-18プレミアリーグ西地区:G大阪ユース1-2鳥栖U-18>◇11日◇第17節◇OFA万博フットボールセンターB
ガンバ大阪ユースは11日にサガン鳥栖U-18と対戦し、1-2で惜敗した。
G大阪ユースは来季のトップ昇格が発表されている4人のうちFW當野泰生(とうの・たいき、3年)とDF横井佑弥(2年)が負傷欠場となったが、主将のMF山本天翔(たかと、3年)とFW中積爲(なかつみ・なる、3年)が先発した。
この試合で特に存在感を示したのが山本だった。強度の高い鳥栖U-18の動きに押され、前半は思うような試合運びができず相手に先手を取られる場面も多かった。それでも後半に入ると、こまめに首を振り続けて状況を把握し、隙を見つければ即座に正確な左足のキックで突いてチームを前進させた。
圧巻は後半20分のキック。ゴール前左25~30メートルの位置でFKを獲得すると、直接スーパーゴールを決めた。トップチームのFW宇佐美貴史(33)が6月22日FC東京戦で右からニア上に突き刺したFKをイメージ。逆サイドからその狙いを持って蹴ったボールは「ちょっとズレてしまった」とコースこそ変わったものの、高速で曲がり落ち、相手GKの手を弾いてゴールに吸い込まれた。
この得点でG大阪ユースが勢いを取り戻すと、山本はボール奪取しては運び、狙いすました配球でチャンスを演出。「今日はキックの調子がいいなと思っていた。相手の状況を見ながら、自由に動ける時は狙っていった」と、ワンステップでもパンチ力あるボールを蹴ることができるU-18日本代表MFは長短、高低を多彩に蹴り分けて何度も相手ゴールを脅かした。
G大阪ユースの町中大輔監督が「左足のキックやゲームコントロールという武器があって、リーダーシップもある」と評するレフティーには、ユースの大先輩である宇佐美も一目置いている。「天翔は“ユースっぽさ”からすでに脱皮した状態。自己主張ができて、前線の年上の選手を動かすこともできる。技術的なところというよりは、メンタルの部分でしっかりしている。ピッチ内外でしっかりファイトできる選手。1年しっかり積めば、主力になっていくのかなという目で見ている」。アカデミー関係者同様に、物おじせず力を発揮できるメンタリティーを評価。主力定着までも楽しみにしていることを明かした。
「(トップチームに)昇格できてうれしい部分はあるけど、ほっとしてる場合じゃないっていうのが正直なところ」と気を引き締める山本が、レベルアップの必要性を感じているのはディフェンス面。「これから(トップチームで)ボランチをやっていくにあたって、もっとやっていかないといけない」と自覚し、今は「ハードワークして点も取れる。一緒にプレーして本当にすごいと感じる」というMF安部柊斗のプレーを手本に、努力を重ねている。
9月17日にイースタン(香港)と戦ったアジア・チャンピオンズリーグ2(ACL2)開幕戦では、2種登録選手で唯一のベンチ入り。近い将来出番が回ってくるとみられる18歳は「緊張はした。でも出たら100%出せるように準備するだけ。また呼んでもらえるように頑張ります」と意欲。トップチームでの活躍を視野に、日々基準上げて取り組んでいくことを約束した。【永田淳】