マウンド上で思わずうなだれるカーショー。この日の状態の悪さは、本人の表情が物語った(C)Getty Images 現地時…

マウンド上で思わずうなだれるカーショー。この日の状態の悪さは、本人の表情が物語った(C)Getty Images

 現地時間10月8日に行われたナショナルリーグの地区シリーズ第3戦で、ドジャースはフィリーズに2-8と敗戦。3勝先取方式の同シリーズでの通算成績は2勝1敗となった。

【動画】レジェンド左腕が炎上!カーショーがシュワバーに一発を浴びる

 苦しい投手事情を物語る継投策が大量失点を招いた。先発した山本由伸が4回(67球)3失点で降板したドジャースは、アンソニー・バンダ、ジャック・ドレーヤーと繋いで、7回からは今季限りで現役引退を表明しているクレイトン・カーショーを投入。先発投手だった大ベテランに“イニングイーター”の役割を求めた。

 しかし、これが裏目に出る。7回を得点圏に走者を置きながらなんとか無失点で切り抜けていたカーショーは8回も続投するが、先頭打者のJ.T.リアルミュートにソロホームランを献上。さらに四球と失策で1死二、三塁のピンチを招いて、トレー・ターナーに2点適時打を浴びると、続くカイル・シュワバーにこの日2本目のホームランを打たれてしまった。

 試合の趨勢を定める悪夢の5失点。ポストシーズン初登板となったベテラン左腕が滅多打ちにされた結果もあり、ファンの間では続投を決断したデーブ・ロバーツ監督に批判が集中。SNSでは「1イニングだけで十分だった」「ロバーツの判断は悪すぎる」「なんでこんなにブルペンがガタガタなんだ」「ここは無理をさせる場面じゃないだろ」と異論が飛び交った。

 無論、チームにはカーショーを続投せざるを得ない事情もあった。この日はレギュラーシーズンで守護神を務めていたタナー・スコットが、「個人的な事情」によってチームから離脱。フレッシュな状態にあり、経験も豊富な37歳のベテランに回跨ぎを頼むのは必然ではあった。

 とはいえ、ポストシーズンは結果が全てとも言える。ゆえにメディアからもロバーツ監督の采配には辛辣な意見が飛ぶ。MLBアナリストのブレイク・ハリス記者は自身のXで「まだブルペンには5人も投手がいる。5人。しかも2点差の試合だ。それなのに8回にもカーショーをマウンドに送ったなんて、本当に馬鹿げた決断だ」と投稿。全48球のうち22球しかストライクを投げられなかったベテランに回跨ぎを託した選択に疑問を呈した。

 遊撃手を守っていたムーキー・ベッツも試合後に「見ていて辛かった」と漏らしたカーショーの“炎上”。フィリーズ打線を活発化させてしまった継投策が、今後のポストシーズンの戦いにどのような影響を及ぼすかは興味深く見守りたい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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