11月4日の日本代表とのテストマッチは、もう、すぐそこ。来日したばかりのオーストラリア代表のふたりのコーチが1日の朝、横浜市内のホテルで会見を開いた。 出席したのはスティーブン・ラーカム(アシスタント)とナイサン・グレイ(ディフェンス担当…

 11月4日の日本代表とのテストマッチは、もう、すぐそこ。来日したばかりのオーストラリア代表のふたりのコーチが1日の朝、横浜市内のホテルで会見を開いた。
 出席したのはスティーブン・ラーカム(アシスタント)とナイサン・グレイ(ディフェンス担当)。それぞれ、リコーと九州電力でのプレー経験を持つ。
 通常はキックオフの2日前におこなわれる試合登録メンバーの発表。今回は、その日が2019年ワールドカップの試合日程発表日と重なるため、特別に11月1日にメンバーが発表される予定だった。しかし、結局はお互いの希望もあって、オーストラリア代表、日本代表とも2日に発表することになり、この日は、両コーチがテストマッチの展望を話した。

「2015年のワールドカップを見てもわかるように、日本はここ最近、とても力をつけている」と言ったラーカム コーチは、「南アフリカ戦だけでなく、あの大会のすべての試合を通して進化を感じた」と話した。
「あのときのチームに新しい選手たちも加わり、ジェイミー・ジョセフ、トニー・ブラウンという優秀なコーチ陣もいる。成功はすぐそこまできていると思います。(6月の)アイルランド戦を見ても、トライシーンなどは素晴らしいプレーをしている」
 田中史朗、田村優のハーフ団やバックスリーのスピードも危険と思っているとも話し、「ワラビーズ(オーストラリア代表)は前回のワールドカップに24人のニューキャッパーが生まれた若いチーム。まだチームを作っていく段階だが、自信を持ってやって来た」と付け加えた。

 グレイ コーチは、現在のワラビーズを「長い時間をかけてきたチーム。攻守とも一貫性をもって強化してきた」と話し、気を配るべき日本選手についてこう言った。
「(アマナキ・レレィ)マフィはスーパーラグビーのオーストラリアチームの中でもっとも活躍した選手。当然マークします。しかし、彼だけでなく、バックロー全員がボールキャリーの力を持っています。そして松島(幸太朗)。チャンスを作り出す能力に長けている。それに加え、いろんなことを考え出すコーチ陣もいる」
 ジャパンについての情報は十分なようだった。

 ワラビーズは、今回の来日を貴重な時間ととらえている。ワールドカップの会場でプレーできる。それも、決勝で使用されるスタジアムのピッチに立てるのだ。
「それは私たちにとって大きなボーナスポイントとなる。また、多くの選手が、この時期の日本がどんな状況か知ることができる」
 ラーカム コーチは、そう言った。
 今回のツアーにはエースのFBイズラエル・フォラウが不参加も、その影響について同コーチは、「彼はその世代にひとり出るかどうかの才能を持った選手。そんな選手がいないのはもちろん残念」と前置きした上で言葉を継いだ。
「その代わり、他の選手が育ついい機会です。また、どういったコンビが力を発揮するかも見ることができる。実際、力を伸ばしている若手が何人もいます」

 カートリー・ビールやリース・ホッジ、カーマイケル・ハントのポジションチェンジなども含め、どういった布陣になるかは、さまざまな可能性があるようだ。「ツアーの最初の試合は大切。そして、ホームの日本は危険な存在」(ラーカム コーチ)とも言った。
 ハードなスケジュールを過ごしてきた選手も多いが、世界ランキング3位のチームは、可能な限りベストに近いメンバー構成で11月4日のテストマッチに挑みそうだ。