マシンに馴染み、走りの精度を上げている角田(C)Getty Images 現地時間9月5日、F1第16戦となるイタリアG…

マシンに馴染み、走りの精度を上げている角田(C)Getty Images
現地時間9月5日、F1第16戦となるイタリアGPは、同国北部のモンツァサーキットでフリー走行が行われ、レッドブルの角田裕毅は2回目(FP2)で、全体1位のランド・ノリス(マクラーレン)から0.391秒差の9番手につけた。
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2戦連続のポイント獲得に向け、上々の滑り出しだ。フリー走行1回目(FP1)で14番手だった角田は、FP2では記録を1秒あまり更新する1分20秒269をマーク。6番手に入った同僚のマックス・フェルスタッペンにも0秒192差と肉迫し、チームから「目標」として課されている“エース”との「0秒3以内」も悠々とクリアしてみせた。
2度のセッションを終えた後、F1公式サイトのフラッシュインタビューに応じた角田は「FP1から浮き沈みはあったが、特にFP2のショートランはかなりポジティブな結果だった」と回想。掴んだ手ごたえを雄弁に語った。
無論、チーム内の評価もポジティブだ。姉妹チームであり、角田にとっての古巣でもあるレーシングブルズ時代を知り、7月からレッドブルの新代表を務めるローラン・メキース氏は、英衛星放送『Sky Sports』などのフラッシュインタビューで「ユウキはここ3戦でかなり進歩を遂げている。我々は皆、さらなる活躍を望んでいるが、とにかく彼は良い仕事をしているよ」と主張。8戦ぶりにポイントを獲得した前戦のオランダGP以前から調子を上げている日本人を称えた。
「ユウキはブダペストでマックスに迫る好タイムを記録し、スパではチームで最高の予選タイムを記録しました。つまり、彼は好調な状態にあるということだ」
もっとも、巷で何かと議論の的となっているのは、レッドブルのセカンドシート問題だ。
今季限りで契約満了となる角田は、10月25日に始まるメキシコGPまでが、いわば”査定対象”になるとみられ、レーシングブルズの新人アイザック・ハジャーを含めた候補の名が何かと話題となっている。
そうした中でメキース代表の発言も議論の材料となる。今回のフリー走行後に「チームの外ではこの話題(去就問題)が大きく盛り上がっている。だが、面白いことにチーム内では現時点でまったく議論していない」とのコメントを伝えた英紙『Mirror』は意地悪にも角田の状況と絡めて、こう伝えた。
「レッドブルは、ユウキ・ツノダが結果を出せずに苦しみ、アイザック・ハジャーがレーシングブルズで活躍する中、ツノダがF1のグリッドから外れる可能性を否定しなかった。フェルスタッペンの相棒としてのシートを確保するのに十分なポイントを獲得できていない日本人の肩にかかるプレッシャーは依然として高いままだ」
先述のコメントに加えて「今すぐに決断する必要はない。我々はドライバーたちが今後数戦でどのように成長していくかを見極めるだけの余裕がある」とも語ったメキース代表の発言を「角田の契約危機」と評するのは、無理な理屈と言えるのではないだろうか。
いずれにしても、角田に求められるのは安定した走りと目に見える結果。現地時間9月7日に行われる決勝まで緊張感のある戦いは続きそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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