◇米国男子◇ウィンダム選手権 最終日(3日)◇セッジフィールドCC (ノースカロライナ州)◇7131yd(パー70)大…

久常涼は予選落ちでプレーオフシリーズ進出はならなかった

◇米国男子◇ウィンダム選手権 最終日(3日)◇セッジフィールドCC (ノースカロライナ州)◇7131yd(パー70)

大会2日目は雷雲接近によりサスペンデッドとなった。松山英樹ら午前にスタートした組はホールアウトできたものの、出場153人中74人が翌日に残りを持ち越し。後半6番でトラブルに陥っていた久常涼もその一人だった。

中断時点でカットラインに5打及ばない通算2オーバー。予選通過は絶望的な状況だった。しかし、久常は土曜の朝もコースに帰ってきた。

大会2日目は雷雲接近でサスペンデッドに

本大会はレギュラーシーズン最終戦であり、プレーオフシリーズに進めなかった年間ランキング71位以下の選手はこの先1カ月間試合がなくなる。そのような状況もあってか、久常と同じく予選通過の可能性が低かった5人が棄権した。コースに戻るのはムダ、と考えたのかもしれない。

久常も結果は通算7オーバーで翌週からの出場はかなわなかった。それでも、試合前の準備はいつも通り時間をかけた。どのような心境で準備したのかを聞くと、表情一つ変えずに答えた。

「試合は終わっていなかったので。結果は残念でしたけど、棄権はしたくなかった。(体の)状態は悪くなかったですし、いつもと変わらない感じではあったと思います」

プロゴルファーはプレーを見せるのが商売。久常の言う「棄権はしたくない」という言葉のバックボーンでもある。

プロゴルファーとして

体の痛みや家族の緊急事態など、選手がトーナメント側に理由を伝えて棄権することは日常的だ。では今回のようなケースは? メディア担当に聞くと、面白いことが分かった。

「今回のように試合が第2ラウンド途中で中断し、翌日に再開となった場合、予選通過が絶望的な選手は成績を理由に棄権してもお咎めなしと決まっています。これを『エクスキューズドWD(合理的理由のある棄権)』といいます」

移動距離の長いアメリカならではの合理的解釈である。(JJ田辺カメラマン)