フェルスタッペンと角田は揃って自チームのマシンに不満を漏らした(C)Getty Images「ただ滑っているだけで、通常…

フェルスタッペンと角田は揃って自チームのマシンに不満を漏らした(C)Getty Images

「ただ滑っているだけで、通常得られるグリップがまったくない。この週末はチームとして苦戦を強いられた。その状況でもパフォーマンスを最大限に引き出そうと試みたが、とにかく遅い」

 現地時間8月2日に行われた今季のF1第14戦となるハンガリーGP公式予選後、レッドブルの角田裕毅は、チームマシン『RB21』の性能に本音をぶちまけた。16番手でQ1敗退の憂き目にあった結果もあり、「おそらく僕たちのマシンに完全に欠落している何かがある」とその言葉は辛辣ですらあった。

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 同様に『RB21』への苛立ちを募らせるのは、角田だけではない。8番手となったエースドライバーのマックス・フェルスタッペンも、F1公式サイトのフラッシュインタビューで「本当に何もうまくいかなかった」と吐露。そして「何をやっても大きな違いは出なかった。それは奇妙なことだ」「突然、マシンに多くの問題が出てきた理由を説明するのは本当に難しい」と続けた。

 そもそも舞台となったハンガロリンクは極度の低速。『RB21』との相性は芳しくない。それでも二人のドライバーが揃って「おかしい」と異を唱える状況は、“常勝軍団”レッドブルにとっては異例とも言える。

 チーム首脳陣も予選で生じた問題を見過ごすはずがない。ドイツの衛星放送『Sky Germany』のインタビューに応じた顧問を務めるヘルムート・マルコ博士は、「まだ何かがおかしい。使用済みのタイヤの方が速かったぐらいだ。これは何かがおかしいってことだ」と強調。そして、こうも続けている。

「まぁ様子を見てみよう。今日は厳しい一日だったが、何かが変わるかもしれない。ちなみにユウキは、昨年に1回のピットストップでポイントを獲得しているんだ。多くの可能性があり、オーバーテイクも可能になるはずだ」

 もっとも、逆襲への期待もある。マルコ博士のコメントを伝えたオランダのモータースポーツ専門メディア『Racing News 365』は「不本意なシーズンに暗い影を落としている暗雲にも、一筋の光明はある」と指摘。今予選でフェルスタッペンに0秒163差と肉薄した角田の走りに「輝かしい実績を持つチームメイトよりも先を行くこともあった」と期待を寄せた。

 果たして、チーム内で浮上した「何か」を見つけ出し、現地時間8月3日に迎える決勝での逆転劇へと繋げられるのか。角田、そしてフェルスタッペンの走りに注目だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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