フェルスタッペン超えるタイムを叩き出す好走を見せた角田(C)Getty Images 結果的に“エース”を上回る好走にも…

フェルスタッペン超えるタイムを叩き出す好走を見せた角田(C)Getty Images
結果的に“エース”を上回る好走にも驕りはない。
現地時間8月1日、F1の今季第14戦、ハンガリーGPがブダペスト郊外のハンガロリンクで開幕。レッドブルの角田裕毅は、フリー走行2回目(FP2)で全体9番手となるタイムをマーク。低速特性があるハンガロリンクの状態も相まって自前マシン『RB21』の操舵に苦心し、14番手に沈んだマックス・フェルスタッペンを、現チームに昇格後してから初めて上回った。
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たしかにマシン不良もあってこの日のセッションを通じてフェルスタッペンは振るわなかった。実際、レース後には「何が問題なのか正確に言うのは難しいね。何もかもがうまくいかなかった」とも漏らしている。しかし、そんな天才ドライバーを角田は、差は0.306秒ながら確かに上回った。これは本人にとっても大きな自信となるはずである。
もっとも、角田が求めるのは、決勝でのポイント獲得という明確な「結果」である。ゆえに、当人はさらなるマシンの状態向上を突き詰める。F1公式サイトのフラッシュインタビューに応じた25歳は「正直言って、マシンのバランスそのものは主な問題ではなかった。僕たちが苦労したのは、普段は感じるはずのグリップ感が明らかに不足している点だった」と吐露。FP全体を通じて、“じゃじゃ馬”と揶揄される『RB21』の扱いづらさを感じていたことを告白し、2日の公式予選へ向けて、こう続けている。
「マシンに多くの変更を加える必要があると思う。マックスのマシンからも、そして僕のマシンからもお互いにポジティブな要素を組み合わせながら、問題の根本的な原因を明日の予選までに特定して解決していきたい」
貪欲に結果を追い求める角田の姿勢は、欧州メディアでも高く評価されている。オランダのモータースポーツ専門サイト『Racing News 365』は、先述のコメントを伝えた上で「ツノダは自身のマシンと同僚であるフェルスタッペンのマシンのセットアップを組み合わせることで、“根本的な限界値”を修正できると考えている」と指摘。フェルスタッペン超えを果たした日本人ドライバーの飽くなき考えを、次のように評している。
「好調な金曜日を過ごしたツノダは、自分の車を『これじゃ運転できない』と評して14位に沈んだフェルスタッペンを上回った。しかし、彼はレッドブルに大胆な解決策も提案している。ブダペストでは明らかにペースが遅れたチームが叡智を結集することで、前進できると信じている」
果たして、レッドブルはマシンが抱える問題をどう解決していくのか。角田にとっても上位進出に向け、気の抜けない戦いが続く。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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