フェルスタッペンの能力に疑いの余地はない。だからこそマシンの調整が彼優先になるのだが…(C)Getty Images 今…

フェルスタッペンの能力に疑いの余地はない。だからこそマシンの調整が彼優先になるのだが…(C)Getty Images
今季、ドライバー交代やクリスチャン・ホーナー代表の更迭など、チーム内で大きな動きが続いているレッドブル。マックス・フェルスタッペンが2勝を記録しドライバーズランキングで3位につけているものの、セカンドドライバーに抜擢されたリアム・ローソン、角田裕毅はいずれも低迷。コンストラクターズランキングで首位マクラーレンに大きく水を開けられている状況だ。
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昨年には主要スタッフの離脱も相次いだレッドブルは、F1参戦20年の歴史において、まさに大きな岐路に立たされていると言えるだろう。今季の内容から多くの識者が厳しい意見を発している中、1970年代から90年代にかけ257戦を走り6度の優勝経験を持つリカルド・パトレーゼ氏も、先行きを危ぶむコメントを残している。
イタリアメディア『FormulaPassion.it』が現地時間7月22日、パトレーゼ氏の見解を伝えており、レッドブルの現状にシビアな評価を下している。
「エイドリアン・ニューウェイがもういない、そしてフェルスタッペンも出ていってしまったなら、レッドブルのレベルはツノダが示しているものと同じということになる。ではツノダはどこにいるか? ランキングの下位だ」
その様に語っているパトレーゼ氏は、さらに、「現在のレッドブルは、まだニューウェイが残した遺産の貯金でなんとかやっているが、来年にはまったく新しいマシンが登場する予定で、それはニューウェイが設計していない。そして、フェルスタッペンのように差を生み出せるドライバーがいなければ、レッドブルは後方に沈むだろう」と主張。根強い噂が流れる、フェルスタッペンのチーム離脱の可能性にも言及しており、「メルセデスへ行くチャンスがあれば、彼は行くだろう」などと見通している。
またパトレーゼ氏は、「現在の状況を見る限り、フェルスタッペンがレッドブルに残ることに満足しているとはとても思えない」と訴えながら、「今年も、彼がポールポジションを獲得したり、グランプリに勝てたりしているのは、彼の能力によるものだ」と指摘。その上で、「私が現役だった頃、(ミハエル・)シューマッハや(アイルトン・)セナが、明らかに劣ったマシンでも勝利をもぎ取っていた姿とまったく同じことを今のマックスはやっている」などと評している。
やはりタイトル争いで存在感を示すためには、現役王者のスキルだけに頼るばかりではなく、角田のパフォーマンス向上はもちろん、チームスタッフの底上げも重要となる。フェルスタッペンの去就も注目される中、シーズン後半戦こそ、レッドブルはかつての輝きを取り戻すきっかけを掴まなければならない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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