デンマーク1部のブレンビーに完全移籍するJ1湘南のFW福田翔生(24)が6日、神奈川県のレモンガススタジアム平塚で約3…
デンマーク1部のブレンビーに完全移籍するJ1湘南のFW福田翔生(24)が6日、神奈川県のレモンガススタジアム平塚で約3000人のサポーターにあいさつ。スピーチでは号泣する場面もあった。
「伝えたいことが多くて」と手紙を用意してあいさつに臨んだ福田。「湘南に来て初めて自分の命をかけられる。そう思えるクラブで戦えて本当に幸せでした。湘南に来ることができたから成長できたと思っています」とサポーターやともに戦った選手への感謝を告げた。
また、これまでの挫折や両親への思いを話す際には涙。おえつを漏らすほど、感情をあらわにした。最後には「僕はこれからもずっと湘南を応援し続けます。そして僕はこれからも誰かに希望を与え続けられるような選手になります。これからも応援していただけたら幸いです」と話し、涙ながらに「2年間、本当にありがとうございました」とサポーターへ深く頭を下げた。
昨季J1で10得点を挙げブレークしたが、決して順風満帆ではなかった。2019年に東福岡高から当時JFLのFC今治に入団するも、4年間で36試合の出場にとどまり得点もゼロ。なかなか殻を破れない時期が続いた。ただ、23年にYS横浜に移籍し、MFからFWにコンバートされると才能が開花。21試合で11得点を記録し、シーズン途中から湘南のユニホームに袖を通すこととなった。
セレモニー前には記者会見を実施。移籍の決断に至っては葛藤の中、相当な覚悟があったという。「これだけ大好きになったクラブはないと思っていた。しかも夏の途中にこういうチーム状況で抜けるの考えた時に、離れたくもないし、まだこのチームで点を決めて手少しでも上の順位に導きたいという思いと、幼いころからチャンピオンズリーグ(CL)をめざしていたのでその2つの葛藤があった」と明かす。
最終的に決め手になったのは幼いころからの2つの夢だった。「CLに出ることと僕の夢である貧しい国の子供たちにご飯を食べさせてあげたいっていう夢がすごく…この夢はどれだけ苦しくっても一回もぶれたことがなくて。そういう意味でもいろんな国の人たち、貧しい国の人たちにご飯を食べさせてあげるには、デンマークを選んでいろんな国に渡れるなと思って。そういった意味でも選びました」と説明した。
スピーチの涙や夢から伝わるように人柄でも大いに愛された福田。3000人のサポーターのエールを受けて、夢に向かい“翔び立った”。