アンディ・マレー(イギリス/3位)は10日、BNL イタリア国際」(5月8~15日/ATP1000/賞金総額374万8925ユーロ/クレーコート)で記者会見を行った。 この会見の場でマレーは、コーチのアメリー・モレスモー(フランス/20…

 アンディ・マレー(イギリス/3位)は10日、BNL イタリア国際」(5月8~15日/ATP1000/賞金総額374万8925ユーロ/クレーコート)で記者会見を行った。

 この会見の場でマレーは、コーチのアメリー・モレスモー(フランス/2006年全豪、ウィンブルドン優勝)と袂を分かつことに決めた理由などを説明。関係はうまくいっていたが、スケジュールの問題で、長い時間をともにすることが難しくなったからと説明した。  「昨年の終わりには、共同作業を可能にしようとお互いに努力し、ドバイに来てもらってともにトレーニングをした。オーストラリアでもいいスタートを切ったが、全豪(終了時)からローマまでの間に、僕らは、マイアミでの、わずか10日しか時間をともにできなかった。一緒に働く時間をより多くするよう努力したが、仕事を行うために必要とする時間が非常に多く、とにかく難しかった。僕が苦しんでいた重要な時期も含め、1年のうちにかなりの時期を、ともに働くことができなかった。いつもふたりで話し合って、何とかしようと努力するんだが、大きな大会が終わるごとに同じ問題が繰り返される。不幸なことだが、仕方がなかったんだよ」とマレー。  やはり男子選手と女性コーチはうまくいかないのか、と揶揄されると、「僕の場合はうまくいったよ。彼女が来る前、僕はあまりいい成績を挙げることができず四苦八苦し、かなり自信を失ってもいた。ところが彼女がチームに加わったら、かなり迅速に成績はよくなった。僕にとって、彼女とともにした時間はポジティブなものだったんだ」と返答した。  「ロジャー(・フェデラー)も、(ステファン・)エドバーグがより多くの時間を家族とともに過ごすことを望み、あまり長い時間を旅していたくないとしたために、師弟関係を解消した。そのときには誰も騒ぎ立てはしなかったじゃないか。アメリーが女性であるという事実とは、何の関係もない」と続けた。  トッププレーヤーをコーチできる能力を持つ人物はそう多くなく、さらにそのような人物を長期的に雇うのは困難なのか、と聞かれるとマレーは頷いた。 「ああ、難しい。だから、年に35~40週を僕との仕事に費やせるジェイミー・デルガド(イギリス)を、コーチングスタッフに持てるというのは重要なことなんだ。もし、元トップレベルの選手をコーチにしようとした場合、彼らはすでに年30~35週を旅して過ごしてきたわけだから、また僕とともにそうしてくれる人を見つけるのは、簡単じゃないんだ」  マレーはまた、錦織圭(日清食品)のコーチ、マイケル・チャン(アメリカ)を例に挙げ、「(ミロシュ・)ラオニッチをコーチしてるカルロス・モヤ(スペイン)、そして錦織をコーチしているチャンのように、例はたくさんあるよ。彼ら(モヤとチャン)が、自分の選手とともにすべての大会に来ているわけじゃないのは、またそんな(旅ばかりの)生活を望んではいないからなんだと思う」と説明している。  新しいコーチ探しについては「まずは自分のチームのほかのコーチやスタッフ、また過去に一緒に仕事をしたことがある人々と話し、当たってみるよ。でも、候補が挙がってからも、まずは合うかどうか試してみたい。電話で決められることじゃない。コート上で時間をともにし、顔を突き合わせて話す必要があるよ」と話し、性急に決めるつもりはないことを明らかにした。

(テニスマガジン/ライター◎木村かや子、構成◎編集部)