◇メジャー第3戦◇全米オープン 3日目(14日)◇オークモントCC(ペンシルベニア州)◇7372yd(パー70)最終1…

サム・バーンズ(右)がメジャー初優勝へ単独首位で最終日を迎える

◇メジャー第3戦◇全米オープン 3日目(14日)◇オークモントCC(ペンシルベニア州)◇7372yd(パー70)

最終18番、サム・バーンズの右ラフからのセカンドは上から15m超とタフなバーディパットを残した。雨でグリーンがかなりソフトになったといっても、スピードはしっかり出ている。大きく右を向いて優しくボールを打ち出し、1.2mに寄せて2パットのパーで切り抜けて通算4アンダー。単独首位で最終日を迎える。

傾斜がきつい高速グリーンというだけでも厄介だが、転がりを不規則にするポアナ芝も加わって難度を上げる。3日間54ホールで3パットなしはバーンズとライアン・フォックス(ニュージーランド)の2人だけ。前週「RBCカナディアンオープン」でプレーオフを戦った2人の名前が並んだのは奇妙な偶然でも、バーンズのパット巧者ぶりには確かな裏付けがある。

2日目の「65」に続いて「69」でまとめた

ルイジアナ州で生まれ育ち、いまも拠点を置く同州でホームコースとするスクワイアクリークCCで武器に磨きをかけてきた。名匠トム・ファジオ設計で「グリーン面が大きく、傾斜も多い。15~20フィート(4.5~6m)のパットが、5~6フィート(1.5~1.8m)くらい切れることもある。そういう創造性を求められるラインが好きなんだ」。パットのスコア貢献度を示すストロークゲインド・パッティングは今季PGAツアーでトップの数字を記録。傾斜を読み切り、スピードを合わせる能力の高さは難関オークモントCCで存分に発揮されている。

ツアー随一のパット巧者

同学年の世界ランキング1位スコッティ・シェフラーと親交が深く、唯一無二の親友ともいえる間柄。先に初タイトルを掲げ、2022年「チャールズシュワブチャレンジ」ではプレーオフでの直接対決も制した。3年後の現在はお互いの立場も大きく変わり、バーンズはシェフラーへ最大級のリスペクトを示す。「一人の男としても優れているし、世界最高の選手。多くの時間を一緒に過ごし、彼から学ぶことができるのは本当に大きい」

世界1位に君臨する親友に続けるか

前週のプレーオフ惜敗から、ゴルファー世界一を決める戦いで訪れたメジャー初優勝のビッグチャンス。「子どもの頃からそれを夢見て、一生懸命、練習してきた。100回くらい言った気もするけど、このコースは難しい。忍耐が必要だ」。パッティングという自らの武器を前面に押し出し、一世一代の“我慢合戦”に臨む覚悟はできている。(ペンシルベニア州オークモント/亀山泰宏)