<大相撲五月場所>◇千秋楽◇25日◇東京・両国国技館【映像】花道の奥で繰り広げられた「心温まる光景」 大関・大の里(二所…

<大相撲五月場所>◇千秋楽◇25日◇東京・両国国技館

【映像】花道の奥で繰り広げられた「心温まる光景」

 大関・大の里(二所ノ関)が横綱昇進を決定づける自身4度目の幕内優勝などもあり、華々しいフィナーレを迎えた千秋楽。その一方、約33年におよぶ相撲人生に別れを告げる最古参力士がいた。最後の取組を終え、花道を下がっていくと、そこには驚きの“心温まる”光景が待っていた。まさかの展開にファンからも「すごい光景」「素敵な仲間」「愛されてる」などの反響が相次いだ。

 長い相撲人生に幕を閉じたのは序ノ口二十四枚目・澤勇(式秀)。初土俵は平成4年七月場所、昭和52年2月生まれの48歳だ。平成4年といえば、1月場所で貴花田が史上最年少で初優勝を飾った年。社会現象にもなった“若貴フィーバー”に角界はもちろん、日本中が沸いた時代だ。

 最高位で序二段五十三枚目の澤勇は、輝かしい成績を残すことこそできなかったが、日々、稽古に励んで厳しい勝負の世界に33年も身を置いてきた。通算成績は406勝859敗だった。

 現役最後の一番、相手は序ノ口二十五枚目・兎富士(伊勢ヶ濱)。白星を掴むべく土俵際で必死の粘りを見せたが、寄り切りで敗れた。1勝6敗という成績で現役最後の場所を締めくくった澤勇に取組中に外れたさがりを手渡したのは、序ノ口行司の木村裕之助(16歳)。32歳年下の行司からさがりを受け取った澤勇は、顔をしかめ、肩で息をして一礼。現役最後の取組を終え、土俵を降りた。

 東の花道から下がっていく澤勇に客席から一人の女性が近づくと花束を渡された。花束を大事そうに抱えて再び歩みを進めた澤勇の視線の先、花道の奥には、弟弟子たちの姿が。笑顔と拍手で迎えられた澤勇の左手は、感極まったか、目元を拭ったようにも見えた。

 仲間の前で歩みを止め、何度も深々と頭を下げ、さらに花束を受けとった澤勇。カメラが捉えた最古参力士の“人生の花道”の心温まるワンシーンに「すごい光景」「素敵な仲間」「愛されてる」「お疲れ様でした」などファンからも驚きと労い、祝福の声が寄せられた。(ABEMA/大相撲チャンネル)