陸上の兵庫リレーカーニバルは20日、神戸市のユニバー記念競技場であり、男子走り幅跳びは2021年の東京五輪6位の橋岡優輝(富士通)が8メートル10(追い風1・7メートル)の大会新記録で優勝した。橋岡は昨夏のパリ五輪以来の実戦だった。女子は…

 陸上の兵庫リレーカーニバルは20日、神戸市のユニバー記念競技場であり、男子走り幅跳びは2021年の東京五輪6位の橋岡優輝(富士通)が8メートル10(追い風1・7メートル)の大会新記録で優勝した。橋岡は昨夏のパリ五輪以来の実戦だった。女子はパリ五輪代表の秦澄美鈴(住友電工)が6メートル40(追い風1・8メートル)で大会6連覇を果たした。

 男子砲丸投げは奥村仁志(センコー)が、自身の持つ日本記録にあと1センチに迫る19メートル08の大会新で制した。

■パリ五輪後初の実戦で優勝 日本のエースが語った現在地

 日本男子のエースが、シーズン初戦で上々のジャンプを披露した。

 昨夏のパリ五輪以来となった大会で8メートル10をマークし、「けがなく跳べることの確認が、今回の目標だった。しっかり跳べて安堵(あんど)感がある」と笑った。

 この日、橋岡は1回目の跳躍で7メートル90をマークした。3回目で大会記録を更新すると、4回目にも8メートル01の跳躍を見せた。

 2021年の東京五輪で6位入賞。さらなる活躍が期待されたパリで、まさかの予選敗退という悔しさを味わった。その後は22年秋から練習拠点にするアメリカで課題のスプリント力の向上に取り組み、今月に入って日本に戻ってきた。

 「時間はかかりましたけど、アメリカでやっていることが、ようやく理解できて体現できるようになってきた」。次戦は5月に大阪である木南道孝記念の予定だ。

 多くの選手が9月の世界選手権東京大会を見据えるが、「出場できればいいな、と思っているくらい」と少しテンションは低めだ。

 「思い描いている跳躍を実現できるようになってくれば、いろんなものが勝手に結果としてついてくると思う。先の目標にとらわれすぎず、一歩一歩、大事にしながらやっていくシーズンにしたい」。26歳は淡々と言った。(松沢憲司)