<西武0-2日本ハム>◇28日◇ベルーナドーム西武の新指揮官、西口文也監督(52)があれ…いない!? 開幕戦前の練習開始の午後2時、姿がベルーナドームにない。ベンチ前で待つ報道陣にも「?」が。その頃、指揮官は森の中。2軍球場カーミニークフィ…

<西武0-2日本ハム>◇28日◇ベルーナドーム

西武の新指揮官、西口文也監督(52)があれ…いない!? 開幕戦前の練習開始の午後2時、姿がベルーナドームにない。ベンチ前で待つ報道陣にも「?」が。その頃、指揮官は森の中。2軍球場カーミニークフィールドとドームをつなぐバックヤードにいた。「もう何十回も何百回も」。慣れ親しんだ山道だ。

緑に囲まれた階段を軽やかに上る。4回表までイースタン巨人戦を観戦した。「篠原、良かったね。順調に育ってくれれば」。ドラフト5位篠原響投手(18=福井工大福井)がプロ初勝利を挙げた。「この前、狩生も見たよ」。同3位の狩生聖真投手(18=佐伯鶴城)の名前も挙げた。

映像では確認済みも「映像と生は違うからね」と歩く。それが1軍監督の就任1年目の、開幕戦であっても。いや、むしろ。「開幕戦だから今日は(1軍の)打撃を見に行くけど、普段はもっと長く2軍の試合見るかも」と言うほどだ。

緊張も少ないし、花粉&黄砂襲来の26日には「しんどい。やる気出ないわ」とグダ~ッとしていたほど。開幕戦はこうじゃなきゃいけない-。新監督はこうじゃなきゃいけない-。そういう価値観がない。開幕投手の今井にも共通するものだ。世の荒波をひょうひょうと泳ぐよう。一方で、1軍即戦力ではない高卒新人にも、丁寧に目を届かせる。再建の重責を担う男ならではの、未来まで見すえた行動だった。【金子真仁】