NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25ディビジョン3 第12節2025年3月30日(日)12:00 久留米総合スポーツセンター陸上競技場 (福岡県)ルリーロ福岡 vs 中国電力レッドレグリオンズルリーロ福岡(D3)ルリーロ福岡の…
NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン3 第12節
2025年3月30日(日)12:00 久留米総合スポーツセンター陸上競技場 (福岡県)
ルリーロ福岡 vs 中国電力レッドレグリオンズ
ルリーロ福岡(D3)
ルリーロ福岡の三股久典キャプテン。「本当の意味で“ワンチーム”になれたとき、このチームはもっと強くなれる」
「1試合1試合を大切に戦いたい」。三股久典の言葉には、静かながらも揺るぎない覚悟が感じられた。リーグワン参入1年目は開幕から10連敗。それでもルリーロ福岡(以下、LR福岡)はあきらめていない。その中心にいるのが、キャプテンの三股だ。
今節の相手は中国電力レッドレグリオンズ。これまで公式戦では一度も勝てていないが、今季開幕前のプレシーズンマッチでは1点差で勝利している。「ターゲットとして、全員でフォーカスして勝ちにいきたい」と三股は力を込める。過去の接戦で手ごたえを感じた相手だからこそ、雪辱への思いは強い。チーム全員が“やれる”という実感を共有している。
今季新たに構成されたバックス陣も、試合を重ねるごとに連係を深めている。三股自身も「プレー中の意図が伝わりやすくなったし、練習中のコミュニケーションも増えている」と手ごたえを感じている。ただ、チームはまだ発展途上。72名の大所帯の中で、選手たちはポジション争いに奮闘しながら、自分の役割を全うしている。多くの選手がいるからこそ、全員の意識を同じ方向に向ける難しさもあるのだ。
「先週の練習では雰囲気が悪くて、ちょっとした衝突もあった」。三股はそう振り返るが、それは“意見のぶつかり合い”という健全なプロセスだ。「本当の意味で“ワンチーム”になれたとき、このチームはもっと強くなれる」と三股は確信している。その言葉には、キャプテンとして仲間を信じ続ける熱意がにじんでいた。
豊田将万ヘッドコーチも、三股の存在を高く評価している。「ハードワークできる選手を選びたい」という選手選考基準には、単なる運動量の多さだけではなく、相手と向き合う姿勢、試合の流れを読む知性、そして仲間を鼓舞するリーダーシップが求められている。三股はまさにその象徴だ。ピッチ内外で「勝つために何が必要か」を自ら考え続けている。
今節のポイントは、技術でも戦術でもない。「これまで積み上げてきた小さな成長をチーム全体で出し切ること」。三股の言葉どおり、それを80分間、すべてピッチにぶつけられるかどうかが、勝敗を分ける。
LR福岡は、まだ「挑戦者」かもしれない。しかし、確実に成長の兆しが見え始めている。三股の背中を追い、チームは1勝を目指して走り続ける。信じる気持ちがチームを一つにしている。
(柚野真也)