◆プロボクシング ▽東洋太平洋スーパーフライ級(52・1キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者ジーメル・マグラモ―同級4位・横山葵海(29日、愛知県国際展示場) 東洋太平洋スーパーフライ級4位の横山葵海(23)=ワタナベ=が29日、愛知県国…

◆プロボクシング ▽東洋太平洋スーパーフライ級(52・1キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者ジーメル・マグラモ―同級4位・横山葵海(29日、愛知県国際展示場)

 東洋太平洋スーパーフライ級4位の横山葵海(23)=ワタナベ=が29日、愛知県国際展示場で同級王者ジーメル・マグラモ(30)フィリピン=に挑戦する。28日は名古屋市内で前日計量を行い、横山がリミットちょうどの52・1キロ、マグラモが100グラムアンダーの52・0キロでクリアした。

 デビュー3戦目の横山が東洋太平洋王座を獲得すれば、WBA世界スーパーフェザー級4位の堤駿斗(志成)に並び国内男子最速タイ記録となる。横山は計量後の会見で「自分の練習してきたことを試合で出して、倒しにかかりたい。技術面でもすべてにおいて上回りたい」と意気込んだ。

 対するマグラモは、「あしたは絶対いい試合になると思う。相手に何もさせずに勝ちたい」と決意を述べた。

 横山は、国内史上最速での世界王座獲得へのテストマッチとなる。所属ジムの渡辺均会長(75)は先日、「東洋太平洋王者になれば当然、上(世界挑戦)の資格がある。チャンスが来れば、日本記録は狙ってます」と明言。元4階級制覇王者・田中恒成(畑中)の持つプロ5戦目での世界王座獲得、元2階級制覇王者・京口紘人(ワタナベ)の持つデビューから1年3か月での世界王座獲得、という2つの日本男子最速記録更新も視野に入れる。

 ただ、横山自身は、記録更新について「特にそれは考えていない。今回のことだけしか考えていない。自分のボクシングをみなさんに見ていただきたい」と強調した。

 横山はアマチュアで22年全日本選手権バンタム級を制し、56戦44勝(12RSC)12敗のアマ戦績を引っさげ、昨春の拓大卒業後にプロ転向。昨年7月に東京・両国国技館での53キロ契約6回戦でワン・ハオ(中国)とプロデビュー戦を闘い、2回TKO勝ち。12月にのプロ2戦目では、スーパーフライ級8回戦で東洋太平洋同級5位だったデンマーク・ケビド(フィリピン)にダウンを奪われながらも3―0の8回判定で辛勝した。

 興行をプロモートする元世界3階級制覇王者・亀田興毅ファウンダーは(38)は、「横山選手はデビュー3戦目でこれだけ強い王者に挑戦する。ハードなマッチメイクだが、ここでどういう試合をするのか。新たなスターが誕生する瞬間かもしれないので、注目して欲しい」とコメント。4戦目での世界挑戦についても触れ「陣営含めて、それを望むのであれば面白い。世界でもなかなかない快挙。そういう世界戦をプロモートできるのであれば僕自身もうれしいこと。それも含めてあした、どれだけの試合をするのか楽しみにしたい」と期待した。

 戦績は横山が2戦2勝(1KO)、マグラモが34戦30勝(23KO)4敗。

 興行はABEMAで無料生中継される。