2016年リオデジャネイロ五輪でレスリング女子69キロ級金メダリストの土性沙羅さんが28日に自身のインスタグラムを更新し、3月いっぱいで三重県の松阪市役所を退職することを報告した。4月からは母校・至学館大学のレスリング部コーチに就任するこ…

 2016年リオデジャネイロ五輪でレスリング女子69キロ級金メダリストの土性沙羅さんが28日に自身のインスタグラムを更新し、3月いっぱいで三重県の松阪市役所を退職することを報告した。4月からは母校・至学館大学のレスリング部コーチに就任することも伝えた。

 「この度、令和7年3月31日を持ちまして松阪市役所を退職することになりました」と発表。土性さんは2023年3月で現役を引退し、同年4月から地元である松阪市の市役所職員として働いていた。「現役生活を終え、市職員として過ごした2年間は、私にとって本当に新鮮で充実した日々でした。これまでは大会で結果を残すことが目標で仕事でしたが、市役所は全く違う世界。パソコンもほとんど触ったことがなく、電話対応も初めての経験でした。右も左もわからない中、スポーツ課の先輩方に助けてもらいながらの日々に、働くことの大変さを実感しながらもやりがいを感じていました」と振り返る。特に印象に残っている業務は「小中学校での出前授業」と明かした。

 続けて「そうした市職員としての業務を通して、働くことの大変さを実感しながらも多くのことを学び成長を感じることができました。そして『もっと色々なことに挑戦してみたい!』という思いがこみ上げ、あらためて自分を見つめなおし問いただす中で、レスリングへの情熱が以前にもまして湧いてきました」という。「これまで自分にはできないと思っていた『教えるという立場』にも色々なご縁をいただき、4月からは母校の至学館大学レスリング部コーチとして就任することが決まり、新たな挑戦に向けて退職する決意をいたしました」と決断した経緯を説明。「初めて指導者の立場になるということで、選手時代とはまた違う難しさもあると思いますが、選手と真剣に向き合い、サポートできるように努めていきたいと思います」と意気込んだ。

 そして「2年間、本当に素晴らしい経験をさせていただき、心から松阪市役所に来てよかったと思っています。感謝の気持ちを胸に、次のステージでも自分らしく頑張っていきたいと思います。ありがとうございました!」とつづった。

【投稿全文】

この度、令和7年3月31日を持ちまして松阪市役所を退職することになりました。

現役生活を終え、市職員として過ごした2年間は、私にとって本当に新鮮で充実した日々でした。これまでは大会で結果を残すことが目標で仕事でしたが、市役所は全く違う世界。パソコンもほとんど触ったことがなく、電話対応も初めての経験でした。右も左もわからない中、スポーツ課の先輩方に助けてもらいながらの日々に、働くことの大変さを実感しながらもやりがいを感じていました。

その中でも特に心に残っているのは、小中学校での出前授業です。実は元々人前に出たり話したりすることが大の苦手で、最初は緊張で声や足が震え、原稿をただ読むだけで精一杯でした。しかし回数を重ねるたびに、子どもたちと直接対話しながら、時にはアドリブを入れて授業を作り上げていくことができるようになりました。

出前授業を通して、私が出場したリオ五輪のときに生まれていなかった子どもたちが私のことを知ってくれるようになったり、その子どもたちに私の経験してきたこと、夢や目標をもつことの大切さを伝え共感してくれたり、実技を通じてレスリングに興味を持ってくれたり、そんな瞬間が私にとって何より嬉しく楽しい時間でした。

そうした市職員としての業務を通して、働くことの大変さを実感しながらも多くのことを学び成長を感じることができました。そして「もっと色々なことに挑戦してみたい!」という思いがこみ上げ、あらためて自分を見つめなおし問いただす中で、レスリングへの情熱が以前にもまして湧いてきました。

これまで自分にはできないと思っていた「教えるという立場」にも色々なご縁をいただき、4月からは母校の至学館大学レスリング部コーチとして就任することが決まり、新たな挑戦に向けて退職する決意をいたしました。初めて指導者の立場になるということで、選手時代とはまた違う難しさもあると思いますが、選手と真剣に向き合い、サポートできるように努めていきたいと思います。

2年間、本当に素晴らしい経験をさせていただき、心から松阪市役所に来てよかったと思っています。感謝の気持ちを胸に、次のステージでも自分らしく頑張っていきたいと思います。

ありがとうございました!