3月のW杯アジア最終予選を経て、チームの中核が固まりつつある森保ジャパンの最新序列と浮き彫りとなった課題を、日本代表担当の金川誉記者が「読み解く」。* * * 今の森保ジャパンは、高い意識と競争力が力の源泉だ。2―0と勝利した20日のバー…
3月のW杯アジア最終予選を経て、チームの中核が固まりつつある森保ジャパンの最新序列と浮き彫りとなった課題を、日本代表担当の金川誉記者が「読み解く」。
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今の森保ジャパンは、高い意識と競争力が力の源泉だ。2―0と勝利した20日のバーレーン戦は、途中出場の鎌田が先制点。鎌田のゴールをアシストした久保が追加点を奪った。今予選、2シャドー(1・5列目)は南野を軸に、久保と鎌田がもう1枠を争ってきた。25日のサウジアラビア戦は鎌田、久保が初の同時先発。今予選初めて2試合連続先発の久保は「ひとつ、僕が成長した結果なのかな」と語った。アタッカー陣は、いい意味で絶対的レギュラーが見えないほど、激しい争いが繰り広げられている。
一方、負傷者が多いDFラインは、決して層が厚いとは言えなかった。その中で収穫は、高井の台頭だ。サウジ戦で代表初先発すると192センチの高さを生かした守備はもちろん、鋭い縦パスも披露。何より堂々たるプレーぶりが光った。冨安、谷口が長期離脱中で、高井の起用にメドがつけば、さらに競争力は上がる。20歳と伸びしろも十分で、約1年2か月後のW杯で先発をつかんでも不思議はない。
スコアレスドローに終わったサウジ戦は、課題も見えた。バーレーン戦から先発6人を入れ替え、主導権を握ったが無得点。ゴール前の連係が合わなかった点について遠藤は「決め事があった方がいいのか、フレキシブルにやってくのがいいのか」と語った。選手が代わっても“あうんの呼吸”で戦えるほど、甘くはないことも現実だ。
W杯に向け、相手も日本を徹底的に分析してくる。現在の3バックだけでなく、4バックでの戦いも見据えたトライも必要不可欠だ。そうなれば、現在の序列も大きく変動する可能性もある。W杯の直前まで競い合い、磨き合い続けることが、世界一への絶対条件となるはずだ。(金川 誉)