◆高松宮記念追い切り(26日・栗東トレセン) G1・第55回高松宮記念(30日、中京・芝1200メートル)の追い切りが26日、東西トレセンで行われた。「考察」担当のヤマタケ(山本武志)記者は意欲的に併せ馬を消化したビッグシーザーに注目した。…

◆高松宮記念追い切り(26日・栗東トレセン)

 G1・第55回高松宮記念(30日、中京・芝1200メートル)の追い切りが26日、東西トレセンで行われた。「考察」担当のヤマタケ(山本武志)記者は意欲的に併せ馬を消化したビッグシーザーに注目した。

 1週前までに負荷をかけ、当週はサッと軽く整える程度。これが最近の競馬のセオリーだろう。ところが、栗東・坂路で51秒3と速い時計を出したビッグシーザーの追い切りを見届けた西園正調教師は、満足そうだった。「短距離戦は勢いをつけていきたいですからね。1200メートルにも対応できるようにしっかりやりました」。実に歯切れのいい口調だった。

 栗東は全15頭が坂路で時計を出したが、併せ馬を選択したのは3頭のみ。その一頭がビッグシーザーだった。ヴィンテージボンド(6歳3勝クラス)を3馬身近く追走する形を取り、しっかりと前へ出て、1馬身半突き放した。「思った通りの調教でした」。シルクロードSは斤量面を考慮して回避したが、2歳秋は未勝利Vから適度に間隔を空けつつ4連勝。久々を苦にしない。

 西園正師はもう一つの“テコ入れ”も考えている。「ジョッキーの進言もあって、ブリンカーを着けていきます」。メンバーを見ると、今回は先行馬が少ない。気を乗せるような併せ馬に加え、馬具の工夫で楽に位置を取れれば有利に運べる可能性が高い。初のG1制覇へ、並々ならぬ勝負気配が伝わった。(山本 武志)