◇ルヴァン杯 1次ラウンド1回戦 清水3-1相模原(26日・相模原ギオンスタジアム) J1清水エスパルスはJ3相模原を3―1で下した。前半30分にオウンゴールで先制。2―1の後半40分には、ユース所属で21日に2種登録されたばかりのMF土居…

◇ルヴァン杯 1次ラウンド1回戦 清水3-1相模原(26日・相模原ギオンスタジアム)

 J1清水エスパルスはJ3相模原を3―1で下した。前半30分にオウンゴールで先制。2―1の後半40分には、ユース所属で21日に2種登録されたばかりのMF土居佑至(17)がデビュー弾を決めて突き放した。J2ジュビロ磐田はU―18出身のMF川合徳孟(18)のプロ1号などでJ3FC大阪に2―1で競り勝った。清水と磐田は4月9日の2回戦で激突する。

 “超新星”誕生の予感が漂った。終了のホイッスルとともに清水・土居は満面の笑みを浮かべ、先輩たちとタッチをかわす。「自分のゴールで観客の方が喜んでくれたのがうれしかった」。試合後は敵地に駆けつけたサポーターから、昨季までMFカルリーニョスに歌われていたチャントをアレンジして披露してもらい、デビュー弾の余韻に浸った。

 21日に2種登録が発表されてから5日。出番は1点リードの後半27分にやってきた。左ウィングバックに入り、途中から右へ。同40分、左サイドを崩したFW北川航也のパスに反応し左足で流し込んだ。「いいクロスが来たので合わせるだけでした」。ユースの大先輩でもあるエースのアシストに感謝した。

 三重出身で「サッカー王国でプレーしたい」と高校から静岡へ。サッカーを始めた当初は右利きだったが「気付いたら左利きになっていた」。幼少期から憧れたアルゼンチン代表FWメッシや日本代表MF久保建英をまねているうちに、自然と逆足が磨かれたという。17歳10か月14日での得点は、清水のルヴァン杯ではMF石毛秀樹(17歳8か月16日)に次ぐ年少記録。秋葉忠宏監督(49)も「今の選手に珍しい野心的メンタルを持っている。緊迫したゲームだからこそ貴重な経験になった」と拍手した。

 チームは序盤こそ苦しむも終盤は力の差を見せつけ、公式戦の連敗を2でストップ。4月中旬まで続く8連戦で好スタートを切った指揮官は「また一つ競争が高まった」と手応えを口にした。2回戦は4月9日、磐田とのダービー。リーグの次戦は中2日でホーム・湘南戦(29日)が待つ。間もなくプリンスリーグ東海の開幕も控える土居は「ユースに戻ってからも積極的にプレーで示す」と誓った。(武藤 瑞基)

  ◆土居 佑至(どい・ゆうじ)2007年5月12日、三重・津市生まれ。17歳。6歳からサッカーを始め、神戸FCSSからH&AFCのジュニアユースを経て清水ユース入り。昨年8月、広島国際ユースに臨むU―17日本代表に選出。168センチ、63キロ。利き足は左。

  〇…ベテランのDF北爪健吾が役目を果たした。後半開始からDF吉田豊に代わって出場。1点リードの同38分、ゴール前で相手と競り合い、こぼれ球を左足でねじ込んだ。「(リーグで出番が少なく)悔しい思いをしているメンバーがいる中で勝てたのは良かった」。公式戦の得点は23年10月のJ2いわき戦以来。土居の得点にもからんだ32歳が、いぶし銀の働きで貢献した。