「選抜高校野球・準々決勝、智弁和歌山7-0広島商」(26日、甲子園球場) 近畿勢で唯一生き残る智弁和歌山がまたも伝統の強打を見せつけた。低反発バットをものともせずに快音を重ねて、準優勝した18年以来の4強入りを果たした。 出世番号を背負う…
「選抜高校野球・準々決勝、智弁和歌山7-0広島商」(26日、甲子園球場)
近畿勢で唯一生き残る智弁和歌山がまたも伝統の強打を見せつけた。低反発バットをものともせずに快音を重ねて、準優勝した18年以来の4強入りを果たした。
出世番号を背負う2年生が一振りで試合の主導権を握った。初回1死一塁で背番号10の3番・山下晃平外野手(2年)が直球を強振し、ライナー性の打球でフェンス直撃の左越え適時三塁打を放った。「しっかり伸びてくれた」。10番は黒川(楽天)らが下級生時に付けた背番号で2018年の中谷仁監督(45)就任後からのラッキーナンバー。「それなりの活躍をしないといけない」と期待を背負う中、3試合連続打点をマークした。
虎の元助っ人に魅せられて白球を追い始めた。山口県出身だが、家族は大の阪神ファン。幼少期に甲子園での阪神戦を見に行った際に2014年打点王・ゴメスの本塁打を目の当たりにした。虎党の大歓声を受けてダイヤモンドを回る助っ人を目に焼き付け、野球を始めることを決意。「そのホームランがなかったら野球をしていないかもわからない」と野球を始めるきっかけになった聖地で躍動し続けている。
2点リードの二回1死一、三塁では9番・黒川梨大郎内野手(2年)がスリーバントスクイズに成功。「打つチームではないので練習してきた」と指揮官が話す通り、磨いてきた小技も駆使しながら9安打7得点を記録した。チームは初戦から3試合連続で先制点を挙げ、全て5点差以上をつけて勝利。計44安打22得点と圧倒的な攻撃力を見せつけている。
「勝つことだけを考えてプレーしたい」と山下。1994年以来31年ぶりのセンバツ優勝まであと2勝。自慢の強打で一気に頂点へと駆け上がる。