建設が間に合うのか心配されていたミラノ・コルティナ冬季五輪のそり会場で25日、選手による試走が初めて行われた。イタリア北部のコルティナダンペッツォで工事が進むコースは、総工費1億1800万ユーロ(約191億円)。1956年にこの地で開かれ…
建設が間に合うのか心配されていたミラノ・コルティナ冬季五輪のそり会場で25日、選手による試走が初めて行われた。イタリア北部のコルティナダンペッツォで工事が進むコースは、総工費1億1800万ユーロ(約191億円)。1956年にこの地で開かれた冬季五輪で使われたコースの土地に新たに建てられた。
選手が滑る「トラック」には氷が張られ、試走は成功した。ただ、コースの土台などは鉄骨がむき出しで、周囲もまだ工事現場の様相。安全面の確認もこれからになる。
大会組織委員会の方針が定まらず、五輪開幕まで2年となった昨年2月にようやく建設開始。一時は会場を米レークプラシッドや、スイス、オーストリアに変更する代替案まで浮上していた。
イタリア人でもある国際ボブスレー・スケルトン連盟のフェリアニ会長は、試走に先立って行われた式典で「壮大な挑戦の成功を疑う人もいた。305日で完成するのは世界記録で、奇跡だ」と誇らしげに語り、「この地はそり競技の伝統があり、今後70年、聖地として愛用される」。(コルティナダンペッツォ=稲垣康介)