■まるでジェットコースター NBAロサンゼルス・レイカーズは、浮き沈みの激しいシーズンを過ごしている。 2月は、大黒柱の一角で…
■まるでジェットコースター
NBAロサンゼルス・レイカーズは、浮き沈みの激しいシーズンを過ごしている。
2月は、大黒柱の一角であるアンソニー・デイビスを放出し、ルカ・ドンチッチを獲得するという前代未聞の歴史的トレードを敢行するものの、成績は10勝2敗で勝率80パーセント超えを記録。3月上旬にはウェスタン・カンファレンス2位にまで急浮上し、優勝候補の論争にも仲間入りした。しかし、八村塁に続く形で負傷者が後を絶たず、その後は大失速。現在3連敗中、直近10試合の成績も3勝7敗と大きく負け越し、2月の好調がまるで嘘かのように、順位も3つ落としての5位となっている。
3月25日(現地時間24日)に開催されたオーランド・マジック戦の敗戦後、新加入のドンチッチは、直近のレイカーズに対して危機感をあらわにした。リズムが良かった時期と直近の状況を比較する質問を投げかけられた際には、とりわけ厳しいコメントを返している。
「8連勝していたときのプレースタイルを振り返る必要があると思う。フィジカルにプレーして、ディフェンスもしっかりしていた。多分、少し満足してしまったんだと思うけど、今はそんな余裕ないからね」
■「全員が声を上げる意識を持つべき」
レイカーズは最近まで、八村のほか、レブロン・ジェームズ、ジャクソン・ヘイズ、ドリアン・フィニー・スミスらをケガで欠き、大幅な戦力減を余儀なくされていた。3月21日(同20日)のミルウォーキー・バックス戦では、セカンドユニットのジョーダン・グッドウィンやマーキーフ・モリスが先発出場し、ブロニー・ジェームズにも30分近い出場時間が与えられるほど、コンパクトなロスターでの戦いを強いられている。
マジック戦では、レブロンや八村、ドンチッチらが久しぶりに揃って試合出場を果たすも、コンディションが戻っていないのは一目瞭然。とりわけ、ディフェンスは深刻に映り、パオロ・バンケロとフランツ・ワグナーに合計62得点を与えたほか、今シーズン最もアウトサイド成功率の低いチームのひとつであるマジックに対して、37.5パーセントの3ポイント成功率を許している。
ドンチッチもディフェンス面の修正は必須という認識で、解決策について以下のように語っている。
「正直、1人ではなく、全員が声を上げる意識を持つべきだよ。でも、実際に全員は無理だから、僕とレブロンがそういう役割を担うべきだと思ってる。だから、それは僕の責任でもある。前半はちゃんと声を出してたけど、後半はちょっと黙ってしまって、あれはよくなかった。もっと声を出さないと。もちろん、ロスターが安定しないのは厳しいけど、僕たちはそのためにお金をもらってるわけで、それを言い訳にはできない。どのチームも厳しいスケジュールになることはあるし、それも理由にはならないよ。とにかく、自分たちのプレーを見直さなくてはいけない。それだけだ」
■立て直しを誓う
一時は2位まで浮上したレイカーズだが、プレーオフのストレートインは安心できるような状況ではない。プレーオフは6位まで、7位から10位はプレーインで権利争いを強いられるが、ジミー・バトラーの加入以降、ゴールデンステイト・ウォリアーズは上昇気流にあり、7位のロサンゼルス・クリッパーズも直近は8勝2敗とステップアップ。また、8位のミネソタ・ティンバーウルブスも息を吹き返し、直近は7勝3敗と好調だ。
それでもレイカーズには成功体験がある。ドンチッチは残り11試合での巻き返しに自信を持っている様子だ。
「絶対に連勝中のレベルに戻さなければいけない。JJ(・レディックヘッドコーチ)も言っていたけど、僕たちは“できる”と、自分たちでも分かっているから。そのときの試合を見返して、どのようにプレーしてたかを思い出すべきだよ。フィジカルだったし、コート中を走り回ってた。それをまたやらなければいけないし、自分たちでもできると理解している」
レイカーズは6位以内を堅守して、プレーイン期間中をコンディション調整とチームケミストリー向上に当て、優位性を保ちたいと考えているに違いない。レギュラーシーズンの佳境、ドンチッチに喝を入れられたレイカーズには上方修正が求められている。
文=Meiji
【動画】ドンチッチが苦言…試合後会見の様子