(26日、第97回選抜高校野球大会準々決勝 智弁和歌山7―0広島商) ■智弁和歌山前監督 高嶋仁の目 結果も内容もええ試合でした。渡辺颯人投手の好投に尽きると思います。制球に苦しんだ前日と違って、緩急を使って丁寧に打たせて取る投球に徹して…

 (26日、第97回選抜高校野球大会準々決勝 智弁和歌山7―0広島商)

 ■智弁和歌山前監督 高嶋仁の目

 結果も内容もええ試合でした。渡辺颯人投手の好投に尽きると思います。制球に苦しんだ前日と違って、緩急を使って丁寧に打たせて取る投球に徹していました。

 8回4安打無失点。いい当たりもされていましたが、球がコースに決まっていると、打球が野手の正面を突くものです。

 野球っておもしろいもので、「流れ」があります。三回以降追加点が取れず、七回は1死三塁の好機をつぶして嫌なムードになった。すると、八回に2死二、三塁とピンチがくるんです。

 逆にいえば、このピンチを渡辺投手が踏ん張って抑えたから、その裏に智弁にだめ押し点が入ったとも言えます。

 打つ方は相変わらず、低く、鋭い打球を打って好調を維持していますね。二回には黒川梨大郎選手が2ストライクからスクイズを成功させるなど、バントも決まっている。打線全体が、振り回していた昨夏より数段賢くなっています(笑)。

 選抜で4強進出は、僕が監督最終年だった2018年以来ですね。ここからは、投手陣のやり繰りが鍵やと思います。119球投げた渡辺投手が1日休んでどこまで回復するか。他の投手をどう使うかに注目ですね。(智弁和歌山・前監督)