昨年の菊花賞馬のアーバンシック(牡4、美浦・武井亮厩舎)が、日経賞(4歳上・GII・芝2500m)で4歳初戦を迎える。 アーバンシックは父スワーヴリチャード、母エッジースタイル、母の父ハービンジャーの血統。母はJRAで3勝。父が同じで、…

 昨年の菊花賞馬のアーバンシック(牡4、美浦・武井亮厩舎)が、日経賞(4歳上・GII・芝2500m)で4歳初戦を迎える。

 アーバンシックは父スワーヴリチャード、母エッジースタイル、母の父ハービンジャーの血統。母はJRAで3勝。父が同じで、母が全姉妹となるいとこのレガレイラは23年のホープフルS、24年の有馬記念の覇者。同じくいとこのステレンボッシュは24年の桜花賞を制している。いとこの3頭が同年にJRA・GI制覇はかなり珍しい出来事だろう。遡れば曽祖母は名繁殖牝馬のウインドインハーヘアなので、ディープインパクトやブラックタイド、レイデオロやゴルトブリッツと同じ一族となる。

 ここまで8戦4勝。昨春は京成杯が2着、皐月賞が4着、日本ダービーが11着。気性面の若さも災いして尻すぼみだったが、夏場の休養を経て覚醒した。セントライト記念で重賞初制覇。続く菊花賞では中団から長く脚を使い、文句なしの内容でGIウイナーの仲間入りを果たした。前走の有馬記念は1番人気で6着に終わったが、これは結果的に内枠が堪えたもので、決して力負けではない。当然、GIIの今回は必勝を期す一戦となる。

 あえて不安材料を挙げるなら、菊花賞馬のジンクスだろうか。13年以降の菊花賞馬の4歳初戦の成績は【2-3-2-4】。勝ったのはサトノダイヤモンドとタイトルホルダーの2頭だけで、エピファネイアやキタサンブラック、コントレイルといった錚々たる名馬が敗れているのだ。アーバンシックは始動戦をきっちりと勝ち、春の大舞台に弾みをつけられるか。その走りから目が離せない。