◆26年北中米W杯アジア最終予選▽第8戦 日本―サウジアラビア(25日・埼玉スタジアム) 日本代表は24日、アジア最終予選のサウジアラビア戦に向けた前日練習を、埼玉スタジアムで行った。20日のバーレーン戦に勝利して8大会連続のW杯出場を決め…

◆26年北中米W杯アジア最終予選▽第8戦 日本―サウジアラビア(25日・埼玉スタジアム)

 日本代表は24日、アジア最終予選のサウジアラビア戦に向けた前日練習を、埼玉スタジアムで行った。20日のバーレーン戦に勝利して8大会連続のW杯出場を決め、サウジアラビア戦では先発6人の大幅入れ替えが濃厚となった。すでにW杯出場は決まった中でも、サウジアラビア戦で結果と内容を追い求める意義を、日本代表担当の金川誉記者が「読み解く」。

 次なる戦いは、もう始まっている。前日会見に出席した森保一監督(56)は「我々は公式戦も親善試合も関係なく、目の前の一戦に勝利を目指して全力を尽くす」と話した。約1年3か月後のW杯を見据えると、今後の勝敗によって変動するFIFAランキングが、組み合わせ抽選に大きな影響を与える。現在15位の日本は、1次リーグで強豪チームとの対戦の可能性を少しでも減らすためにも、負けられない試合が続く。

 バーレーン戦で負傷したMF守田とFW上田に加え、この日別メニュー調整したMF三笘も欠場が濃厚。主力3人を欠き、森保監督もメンバーの入れ替えを示唆した。決勝まで進めば短期間に8試合を戦うW杯では、選手のローテーションが必須。22年カタールW杯初戦でドイツに勝利した森保ジャパンは、第2戦のコスタリカ戦で先発5人を入れ替えたが、0―1と敗れた。メンバーが変わっても勝ち切る、ターンオーバーの準備の必要性は、カタールからの“宿題”でもある。

 前回予選では、W杯出場を決めたオーストラリア戦の次戦は先発9人を入れ替え、ベトナムに1―1と引き分け。この試合で先発したMF原口元気や旗手は、W杯メンバーに残ることができなかった。当落線上の選手たちは個人のアピールも頭にあるはずだが、ちぐはぐな戦いに終始すれば、チームとして得るものは少なくなる。

 現在、ボランチで遠藤、守田に次ぐ3番手とみられ、サウジ戦は先発が濃厚なMF田中は「メンバーが変わっても同じサッカーをする必要はないと個人的に思っていて。難しさはあるけど、個々の特長を生かすことがチームの最大値を引き出すと思う」と語る。田中の得点力やFW前田のスピード、20歳DF高井の潜在能力など、ここまでの予選では発揮されなかった個性の見せどころだ。W杯優勝という高みを目指すためにはサウジ戦も含め、1試合も無駄にしていい試合はない。

 ◆22年3月29日・カタールW杯最終予選・ベトナム戦 久保建英を右FWで起用するなど、W杯出場を決めた第9戦のオーストラリア戦(2〇0)から先発を9人入れ替えた。ベトナムは試合を通じてシュートは1本だったが、前半20分に左CKからその1本を沈めて先制された。日本のシュートは23本で、得点は後半9分にDF吉田麻也がこぼれ球を押し込んだ1点のみ。1―1で引き分け、4万4600人が集まった埼玉スタジアムからため息が漏れた。

 ◆W杯のポット分け 出場48チームを4つのポットに分け、1次リーグ(12組)の組み合わせ抽選を実施する。ポット分けは抽選会時点でのFIFAランクに基づく。ポット1入りが確定している開催国の米国、カナダ、メキシコに次いで、ランク上位から振り分けられる。カタールW杯で日本は19番目だったため、ポット3。ポット1のスペイン、ポット2のドイツと同居する“死の組”に配置された。