米国女子ツアー(LPGA)を主戦場とする馬場咲希が、LPGAの不手際により今季レギュラーツアー1試合の出場機会を失っていたことが明らかになった。シーズン開幕時に発表された出場優先リストで、本来は優先順位の低かった選手1人を誤って上位に記載…

米国女子ツアー(LPGA)を主戦場とする馬場咲希が、LPGAの不手際により今季レギュラーツアー1試合の出場機会を失っていたことが明らかになった。シーズン開幕時に発表された出場優先リストで、本来は優先順位の低かった選手1人を誤って上位に記載していたことが発覚。序盤戦の3大会で、プレーできなかったはずの選手がフィールド入りしたため、各試合で1人ずつ、馬場を含む3人が出場チャンスを逃した。
LPGAは開幕前に前年までの成績に基づく2025年の出場優先(プライオリティ)リストを公開。1月16日付のリストで、ドイツのソフィア・ポポフは産休制度による復帰で、昨季の年間ポイントレーストップ80の「カテゴリー1」にランクされ、優先順位は57番目だった。しかし、ポポフが3試合に出場した後にツアーのミスが判明。3月10日付けのリストでは「カテゴリー19」に訂正され、優先順位は370番目に降下した。
馬場は昨年の予選会(Qシリーズ)を通過して今季レギュラーツアーに参戦。最終予選会の結果は24位で「カテゴリー15」、優先順位163番目でシーズンに入った。出場機会が限定されるルーキーイヤー。2月にフロリダ州で行われた開幕第2戦「ファウンダーズカップ」で待機選手の1番目として会場入りしたが、出番は回ってこなかった。
本来は同大会に出場する権利がなかったポポフは4日間プレー(59位)。馬場と同じ理由でヒラ・ナビード(オーストラリア)が「ホンダLPGAタイランド」で、チェン・ペイユン(台湾)が「HSBC女子選手権」で出場機会を失っていた。馬場は結果的に今月の「ブルーベイLPGA」が初戦となり、17位で終えた。27日(木)開幕の「フォード選手権」(アリゾナ州ワールウインドGC)で今季2試合目を迎える。
LPGAは「これまでになかった事例」として今後、補償等について協議する。今回の過失は産休制度による資格維持期間が終了した他選手の出場カテゴリーを見直した際に発覚したものとみられる。なお、開幕時に同制度による復帰で「カテゴリー1」で62番目だったカロリン・マソン(ドイツ)は、3月に「カテゴリー16」で172番目に順位付けされている。
ポポフの場合は故障と産休による資格維持の期間が重なったこともあり、複雑な状況になったという。今季獲得したポイント等をはく奪された同選手は、22日の米ゴルフウィーク電子版の記事で、シーズン開幕前にLPGAに出場資格を確認していたことを明かした。「(最終的に)正しい決定がなされたと思うが、自分のステータスをはっきりさせるために連絡を取っていたのにもかかわらず間違いが起こったことを遺憾に思う」と述べた。(編集部・桂川洋一)