プロボクシングの元WBA、WBC、IBF世界ヘビー級王者ジョージ・フォアマンさんが21日(日本時間22日)に死去したと発表された。76歳だった。同日、故人のSNSのアカウントが家族によって更新され、家族は「私たちの心は傷ついています。深い…
プロボクシングの元WBA、WBC、IBF世界ヘビー級王者ジョージ・フォアマンさんが21日(日本時間22日)に死去したと発表された。76歳だった。同日、故人のSNSのアカウントが家族によって更新され、家族は「私たちの心は傷ついています。深い悲しみとともに、2025年3月21日、愛する人たちに囲まれながら、最愛のジョージ・エドワード・フォアマン・シニアが安らかに息を引き取ったことをお知らせします」と明らかにした。
インスタグラムでは「敬けんな伝道師、献身的な夫、愛情深い父親、そして誇り高い祖父、曾祖父であった彼は、揺るぎない信仰と謙虚さ、そして目的意識に満ちた人生を送りました」とつづられた。
フォアマンさんは1949年1月10日、米テキサス州生まれ。68年のメキシコ市五輪ではヘビー級で金メダルを獲得。69年6月23日にプロデビューし、3回KO勝ちしてから37連勝で73年1月、ジャマイカのキングストンで、WBA、WBC世界ヘビー級統一王者ジョー・フレージャー(米国)を2回TKOで仕留め、統一王座を奪取した。1973年9月1日には、日本武道館(東京)でホセ・ローマン(プエルトリコ)に初回KO勝ちして初防衛に成功した。
1974年10月には、ザイール共和国(現在のコンゴ民主共和国)の首都キンシャサで、元世界統一ヘビー級王者ムハマド・アリ(米国)の挑戦を受けた。前評判は40戦全勝(37KO)の実績を誇るフォアマンが有利だったが、ロープを背にして強打の威力を吸収する、アリの捨て身の戦法「ロープ・ア・ドープ」が成功。8回に劇的な逆転KOでフォアマンが初黒星を喫した。この試合は「キンシャサの奇跡」として後世に語り継がれる一戦となった。
フォアマンさんはその後、28歳でボクサーを引退。キリスト教の牧師に転身した。だが、87年3月に復帰。91年4月にはWBA、WBC、IBF統一王者イベンダー・ホリフィールド(米国)に挑戦したものの、判定負けした。それでも94年11月、19歳年下のWBA&IBF世界ヘビー級王者マイケル・モーラー(米国)から逆指名を受けて挑戦し、10回KO勝ち。45歳9か月での王座奪取は英国の元世界3階級制覇王者ボブ・フィッシモンズが03年にライトヘビー級王座を手にした40歳3か月を上回る最年長王座獲得記録となった。
97年11月、WBC世界ヘビー級王者レノックス・ルイス(英国)への挑戦権をかけて、シャノン・ブリッグス(米国)と対戦し判定負け。この試合を最後に引退した。
愛称は「BIG GEORGE」で、敬けんなクリスチャンであったことから“戦う伝道師”と呼ばれ、ボクシングファンに広く愛された。戦績は76勝(68KO)5敗。