◆アーチェリー(26~28日、静岡・つま恋多目的広場特設会場) 米国育ちのヒロインが、無欲で地元の大会に挑む。県勢男女計6人が個人戦に出場する中、唯一のシード選手が浜松北の鈴木麻優子(3年)だ。「優勝はできればいいけど、順位はあまり気にして…

◆アーチェリー(26~28日、静岡・つま恋多目的広場特設会場)

 米国育ちのヒロインが、無欲で地元の大会に挑む。県勢男女計6人が個人戦に出場する中、唯一のシード選手が浜松北の鈴木麻優子(3年)だ。「優勝はできればいいけど、順位はあまり気にしていません」。自己ベストである申請点の628点(720点満点)は、女子のランキング10位。十分、上位を狙える位置にいる。

 父の仕事で小学生時代の大半をジョージア州で過ごした。当時は競技ダンスに夢中だった。中1の終わりに帰国。「中途半端だったので運動部に入らず、自然科学部に入りました」。そして、高校に入って選んだ部活動がアーチェリーだった。「みんな未経験からスタートだったので。でも、最初は筋トレや走りばっかりで、いつ辞めようかと思っていた」。しかし、1年の夏休み後半に矢を射るようになってから楽しくなり、メキメキ上達した。

 今春、日体大での合宿に参加。昨年パリ五輪男子団体戦で8位入賞に貢献した同大学の斉藤史弥(20)に志願して試合に臨んだ。1セット3射(30点満点)ずつ、合計ポイントが高い選手に2点入り、先に6点以上奪えば勝者となる通常形式で対決。1―7で敗れたものの、1セットは28―28の同点だった。「1点取れてうれしかった」。日の丸戦士からもぎ取った貴重な得点が自信になっている。

 昨夏、長崎で行われた全国高校総体個人戦では慣れない環境で力を出し切れなかったが、今大会は県内開催。「今回実家から通えるのはアドバンデージです」。競技を始めてまだ2年の帰国子女が地元の利を生かして的を射る。

(塩沢 武士)

 ◆鈴木 麻優子(すずき・まゆこ)2007年12月26日、浜松市生まれ、17歳。7歳から13歳まで父親の仕事の関係で米国で生活。中1の最後に浜松に戻り、八幡中に転校した。家族は両親と兄と祖母。160センチ。

 〇…男子個人戦に出場する松島一誠(浜松北3年)が、メダル獲得を目標に掲げた。昨夏の全国高校総体団体戦は、予選突破したものの決勝トーナメント初戦で敗退。「全国で色々な選手と話して練習不足を痛感させられた」。これまで一日平均100本ほど的に向かっていたが、上位選手は200~300本打っていると聞いて奮起。「今は最低150本は打つように心がけている」。本番で練習の成果を見せる。