◆大相撲 ▽春場所１３日目（２１日、エディオンアリーナ大阪） 元大関の東前頭４枚目・高安が単独トップに立った。西同筆頭・若元春を突き出し、２敗を死守した。並んでいた大関・大の里は関脇・王鵬に押し出されて３敗に後退。平幕の尊富士、玉鷲、安青錦…
◆大相撲 ▽春場所１３日目（２１日、エディオンアリーナ大阪）
元大関の東前頭４枚目・高安が単独トップに立った。西同筆頭・若元春を突き出し、２敗を死守した。並んでいた大関・大の里は関脇・王鵬に押し出されて３敗に後退。平幕の尊富士、玉鷲、安青錦も４敗目を喫した。１４日目に高安が美ノ海に勝ち、大の里が敗れれば、３５歳の悲願の初優勝が決まる。
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高安は突っ張りで勝負に出た。若元春よりも一発の威力、重みは断然上。回転の速さも圧倒的だ。私には突き一つひとつに、いろいろな思いが込められていたような気がした。
「忘れ物を取り返すんだ」
「今度こそ優勝してやる」
「応援してくれるファンと一緒に夢をかなえる」
最後は鬼気迫る表情で若元春の体を浮かせてのけぞらした。
ライバルが負けて１差の単独トップ。相撲の神様も味方してくれている。人間は涙の数だけ強くなる。その言葉を信じて高安のＶ確率は８０％と予想する。
しかし、過去の歴史が気持ちを後ろ向きにさせる。それは高安自身が一番、分かっていることだ。“あと２日はされど２日”の苦い経験を決して忘れない。同じ失敗はしない。高安は目の前の一番に集中することだ。（元大関・琴風、スポーツ報知評論家）
