サッカーの26年北中米W杯出場を決めた日本代表の森保一監督(56)が21日、8大会連続切符獲得の喜びから一夜明け、千葉市内で記者会見を行った。日本史上最速3試合を残してアジア最終予選を突破。目標に掲げる世界一へ、約1年3か月という日本史上…

 サッカーの26年北中米W杯出場を決めた日本代表の森保一監督(56)が21日、8大会連続切符獲得の喜びから一夜明け、千葉市内で記者会見を行った。日本史上最速3試合を残してアジア最終予選を突破。目標に掲げる世界一へ、約1年3か月という日本史上最長の準備期間ができ、決勝まで全8試合を戦うことを前提に選手層を厚くし、レベルの高い2~3チームをつくれる戦力を整えていく。

 興奮のため一睡もせず、早朝のテレビ番組に出演したという森保監督は「W杯出場権獲得は当たり前のようで、簡単なことではない。うれしいと同時にホッとしている」と心境を語った。3試合を残して切符を得たことで、W杯までは史上最長447日の準備期間が生まれた。「現実的な目標として世界一を考えている。世界一に向けて新たなチャレンジを積み上げ、確実に前進したい」と視線は既に本大会へと向けられていた。

 目標達成のため、準備は怠らない。次回W杯は過去最多48チームが参加し、優勝するためには、これまでより1試合多い8試合を戦うことになる。体調面を考えれば、選手は全試合フル出場することは難しく、ターンオーバーは必須。ただ、選手の能力にばらつきがあれば勝ち上がれない。8強入りを逃した22年カタールW杯に続き、2度目の大舞台に挑む指揮官は「レベルの高い選手たちが2、3チーム分いるくらい選手層を厚くできるように。チームのギアをさらに上げる(レギュラーと)同等レベルの選手を増やせるように」と戦力の台頭に期待した。

 現状では冨安健洋、谷口彰悟が長期離脱中のセンターバックなど手薄なポジションもある。選考基準については「チームの根幹は崩れないように。大切なのは積み上げ。代表は(ポジションを)与えられる場ではなく、つかむもの」と強調。次回は未定だが、カタールW杯のメンバー登録は26人だった。これまでの中心メンバーと、結果を出して食い込んできた新戦力を競わせ、チーム力を上げていく。

 W杯予選は3試合を残し、この日は10、11月の国内での親善試合4試合も発表されるなど、強化策は着々と進んでいる。「(歴代)優勝国を見た時に、W杯が国中の関心事にならないと優勝できない。世界一になるために、日本中の関心事になってもらいたい。共闘して、選手たちにエネルギーを送って」と盛り上がりが冷めないよう、さらに国民の興味を引きつけたいと訴えた。アジア最終予選を6勝1分けと敵なしだった森保ジャパンは、その先の美しい景色へ歩みを止めない。(岩原 正幸)