「オープン戦、オリックス1-1阪神」(21日、京セラドーム大阪) 何かが起こる…そんな不安や焦りは、終盤に進むチームにはなかった。阪神鉄壁のリリーフ陣は今年も健在。火消しの石井大智投手(27)に、ハビー・ゲラ投手(29)→岩崎優投手(33…

 「オープン戦、オリックス1-1阪神」(21日、京セラドーム大阪)

 何かが起こる…そんな不安や焦りは、終盤に進むチームにはなかった。阪神鉄壁のリリーフ陣は今年も健在。火消しの石井大智投手(27)に、ハビー・ゲラ投手(29)→岩崎優投手(33)と続く勝利の方程式。シーズンでの延長を見据えた九回は、スペードのエース・桐敷拓馬投手(25)が3人で締めた。仕上がりは万全。開幕モードの継投で「0」を並べた。

 「野球には流れがある。もっと言えば三振で終わるか、同じアウトでも少し変わってくる」。必殺の仕事を終えた石井が静かに語った。出番は1点ビハインドの六回だ。2死三塁のピンチで藤川監督は石井をコール。シーズン開幕まで1週間を切った中、イニング途中の継投をテストした。

 「0-1の試合展開。状況的には三塁走者を絶対にかえしてはいけない場面」。最善の策として奪三振にこだわる配球を組み立てた。ディアスに対してストライク先行で追い込むと、最後はフォークでバットにも当てさせない。「最高の形…流れ的にはいい形で試合運びができた」。反撃の流れを断つと直後、七回に味方が同点に追いついた。

 ただ抑えるだけではない。攻撃まで意識したハイレベルな投球術。続く七回をゲラが「いい状態が続いている」と3人で切り抜けると、八回は岩崎が得点圏に走者を背負いながら「いい練習になった」と、最後は紅林を空振り三振に封じた。続く九回の桐敷も、先を見た抑え方にこだわった。

 「開幕前の3連戦。シーズンだとここから延長戦になる。そこに対していい流れを持ってくるのは重要なこと」。西川からの中軸から簡単に2死を奪い、最後はオリバレスを空振り三振に斬った。相手チームによって変幻自在に変わる投球。最強のリリーフ陣が今年もチームの屋台骨を支える。