「オープン戦、オリックス1-1阪神」(21日、京セラドーム大阪) 開幕前の最後の登板を終えると、ニヤッと笑ってベンチに向かった。阪神・村上頌樹投手(26)は5回2/3を4安打1失点。「試せることは試せて良かったなと思います」。全球種を操り…

 「オープン戦、オリックス1-1阪神」(21日、京セラドーム大阪)

 開幕前の最後の登板を終えると、ニヤッと笑ってベンチに向かった。阪神・村上頌樹投手(26)は5回2/3を4安打1失点。「試せることは試せて良かったなと思います」。全球種を操り、走者なしでもクイックを使うなど本番モード。開幕投手という大役を1週間後に控える中、全く不安を感じさせなかった。

 初回から安定感抜群。打たせて取る投球で、わずか12球で三者凡退に抑えた。二、三回と走者を出しながらも無失点。四回に2死二塁からオリバレスに適時二塁打を浴びたが「失点後もしっかり投げ切れた。そういう部分ではいい練習になった」。今年の16イニング目で初失点となったが、最少失点でまとめた。

 六回無死一、二塁から西川を遊ゴロ併殺打に仕留めたところで交代。2四球や先頭打者の出塁を3度許すなど、課題もあった。ただ、課題が見つかることも収穫の一つ。「いいところも悪いところもあった。また1週間で練習できたらなと思います」。まずは、無事にここまでの登板を終えられた。

 昨年はオープン戦で8失点を喫し、不安を残すこともあった。ただ、今年の実戦は5試合に登板して、17回2/3を1失点。藤川監督も「やりたいことはできたんじゃないかな、と思いますね。今の彼のコンディションは素晴らしい」と全幅の信頼を寄せて、開幕のマウンドに送り出そうとしている。

 本人もここまでは順調に調整してきた。28日には待ちに待った開幕戦を迎える。敵地・マツダスタジアムでの広島戦。登板までの6日間の心境は「普通に1週間を過ごして、何も変えることなくやっていけたら」と平常心を貫くだけだ。

 この日の降板時にはスタンドから大きな拍手が送られた。開幕投手への期待はひしひしと感じているはずだ。「ケガと風邪はひかないように、そこだけは気をつけてやっていきたい」。虎の投手陣の先陣を切る準備と覚悟はできた。次は勝ち投手になって、拍手喝采を浴びる。