「選抜高校野球・1回戦、智弁和歌山6-0千葉黎明」(21日、甲子園球場) 涼しい顔で、久しぶりに聖地に響いた校歌を聞いた。智弁和歌山が優勝した21年夏以来の甲子園1勝。昨夏も聖地を経験した渡辺颯人投手(3年)が快記録で導いた。 「最初のイ…

 「選抜高校野球・1回戦、智弁和歌山6-0千葉黎明」(21日、甲子園球場)

 涼しい顔で、久しぶりに聖地に響いた校歌を聞いた。智弁和歌山が優勝した21年夏以来の甲子園1勝。昨夏も聖地を経験した渡辺颯人投手(3年)が快記録で導いた。

 「最初のイニングはフワッと入ってしまった。野手のみんなが助けてくれて、三回以降は自分の投球を取り戻せました」

 ピンチは二回。連打で2死一、三塁を招いた。それでも力感のないフォームから自己最速を更新する145キロを投じ、空振り三振に。「1個ギアが入って、やるべきことを見直せた」と以降は持ち味の打たせて取る投球でアウトを重ねた。9回90球で「マダックス」(100球未満での完封勝利)を達成。1時間42分という試合時間が右腕のテンポの良さを物語る。

 横浜市出身で、DeNAファン。同球団からカブスに移籍した今永に憧れ「走者がいない時は淡々と投げて、ピンチでギアを上げるイメージ」を参考にする。18日は、今永が先発したMLBの開幕戦を宿舎でテレビ観戦し、力をもらった。

 少数精鋭で人間性を重視する同校の方針にひかれ、故郷を離れた。この日の投球を自信に、名門をさらなる高みへ導く。