21年世界ユース選手権ライト級優勝などアマチュアボクシング9冠の堤麗斗(22)=志成=が21日、東京・後楽園ホールでA級ライセンスのプロテストに合格した。A級合格は、12年ロンドン五輪ミドル級金メダリストで元WBA世界同級スーパー王者の村…

 21年世界ユース選手権ライト級優勝などアマチュアボクシング9冠の堤麗斗(22)=志成=が21日、東京・後楽園ホールでA級ライセンスのプロテストに合格した。A級合格は、12年ロンドン五輪ミドル級金メダリストで元WBA世界同級スーパー王者の村田諒太、21年世界選手権金で13日にプロデビューした坪井智也(帝拳)に続き、史上3人目。5月ごろに8回戦でデビューする予定だ。

 プロテストは、志成ジム主催興行のメイン前に公開で行われた。スパーリングは、元東洋太平洋&WBOアジアパシフィック・スーパーフェザー級王者の木村吉光(志成)が相手。サウスポーの堤は初回から右ジャブを上下に打ち分け、連打からの右ボディーをクリーンヒットさせた。第2ラウンドには左ストレートで木村の顔面をはじき、最終第3ラウンドでは木村をコーナーに詰めて左アッパーでアゴをかち上げた。

 スパーリング後は、リング上で合格が発表された。テストと合格発表の模様はABEMAでも生中継され、リング上で「無事プロとして資格を得られてホッとしている。ここからが本当のスタート。世界王者になるのは通過点。まずはデビュー戦いい内容で勝って、日本だけじゃなく世界にどんどんアピールできるような試合をしていきたい。どんどん強い選手に挑戦していきたい」と宣言。ファンへ「世界への道をともに応援してくれたらうれしい」とメッセージを送った。

 18日プロ転向会見から一夜明けた19日、早くもサウジアラビアからラブコールが届いた。同国政府直轄プロジェクト「リヤド・シーズン」を主催する総合娯楽庁のトゥルキ・アラルシク長官が、自身のXに「堤麗斗さん…私はこのボクサーの才能と技術が好きです。彼にはぜひ私や私のチームに連絡してもらい、今後の計画について話し合いたいと思っています」と、日本国旗、ボクシンググローブ、ハートの絵文字をつけて、日本語で投稿した。

 異例の注目を集める超新星が、兄のWBA世界スーパーフェザー級4位の堤駿斗(志成)とともに世界の大舞台を目指す。

 ◆堤 麗斗(つつみ・れいと)2002年8月23日、千葉市生まれ。22歳。小5からボクシングを始める。全国U―15ジュニアで4連覇。習志野高時代は高校5冠達成(3年時は新型コロナの影響で3大会すべて中止)。東洋大1年時の21年、世界ユース選手権ライト級優勝。24年、全日本選手権同級優勝。アマチュア戦績は59戦57勝(15KO/RSC)2敗。身長165センチ。