(21日、第97回選抜高校野球大会1回戦) 21世紀枠で初出場した横浜清陵と壱岐(長崎)が、初戦で姿を消した。 2001年の第73回大会から創設された21世紀枠は秋季大会の結果に加え、困難な環境下での模範的な取り組みが評価されるもの。創設初…

(21日、第97回選抜高校野球大会1回戦)

 21世紀枠で初出場した横浜清陵と壱岐(長崎)が、初戦で姿を消した。

 2001年の第73回大会から創設された21世紀枠は秋季大会の結果に加え、困難な環境下での模範的な取り組みが評価されるもの。創設初年度の宜野座(沖縄)と第81回(09年)の利府(宮城)の4強が最高成績だ。

 近年、そんな「旋風」は吹かない。第87回(15年)で松山東(愛媛)が二松学舎大付(東京)に勝ったのを最後に、一般枠に対して初戦で23連敗となった。

 横浜清陵の主将・山本康太は何を感じたか。「この舞台を経験できたことがすごく大きい」。4失策の理由など、冷静に敗因を分析していた。「最後まで勝つ気だった」

 21世紀枠で出場した高校が再び甲子園に立った例は、過去に10校ある。直近では23年の石橋(栃木)。初戦で完封負けを喫したが、翌夏の全国選手権で「甲子園1勝」をつかんだ。当時の主力選手、入江祥太が言っていた「絶対に甲子園に帰ってきたい」という思いが、原動力になった。

 憧れの舞台で得た成功体験、あらわになった課題。それらを財産として持ち帰り、新しい一歩を踏み出せることは、21世紀枠の価値の一つだと思う。(大宮慎次朗)