◆大相撲 ▽春場所13日目(21日、エディオンアリーナ大阪) 元大関の西三段目21枚目の朝乃山(高砂)が全勝優勝を飾った。東同筆頭・千代大牙(九重)が立ち合いで突っかけてきたが動じず。のど輪で起こされたが下がらなかった。左上手を取ると持ち前…

◆大相撲 ▽春場所13日目(21日、エディオンアリーナ大阪)

 元大関の西三段目21枚目の朝乃山(高砂)が全勝優勝を飾った。東同筆頭・千代大牙(九重)が立ち合いで突っかけてきたが動じず。のど輪で起こされたが下がらなかった。左上手を取ると持ち前の馬力で寄り切った。7番相撲を終えて「変わらずいつも通りいけた。けがなく終われた」と胸をなで下ろした。

 昨年7月の名古屋場所で左膝前十字靱帯(じんたい)断裂などの大けがで3場所連続で全休。31歳にとって再発は許されず、出場もぎりぎりまで悩んだ。「温かい声援をもらえた。支えてくれた人のおかげ。感謝したい」と頭を下げた。

 取組前に全勝同士で並んでいた同部屋で近大時代の同級生である西三段目33枚目の朝玉勢(高砂)が敗れた。全勝の同部屋同士の優勝決定戦は実現せず「出来たらやりたかった」。今後に向けて「これからが勝負。幕内に戻りたい」と意気込んだ。

 ◇大関昇進後の朝乃山

 ▽21年5月 夏場所11日目に日本相撲協会のガイドライン違反が報じられた。

 ▽同6月 臨時理事会で6場所出場停止と6か月の報酬減額50パーセントの処分を決定。

 ▽同9月 秋場所で大関から関脇に転落。翌22年の春場所で幕下に転落し、関取の座を失う。17年初場所以来の幕下。

 ▽22年7月 西三段目22枚目で418日ぶりに土俵へ復帰し、白星。

 ▽23年1月 初場所を6場所ぶりの関取で十両V。

 ▽同5月 夏場所で再入幕。

 ▽24年5月 夏場所で返り三役も全休。

 ▽同7月 東前頭12枚目だった名古屋場所4日目の一山本戦で、左膝前十字靱帯(じんたい)断裂などの大けがを負い休場。

 ◇朝乃山広暉(あさのやま・ひろき)本名・石橋広暉。1994年3月1日、富山市生まれ。31歳。小4から相撲を始め富山商から近大に。16年春場所に初土俵。17年春場所の新十両を機に「朝乃山英樹」に改名。同年秋、新入幕。19年夏場所で幕内初優勝し、20年春場所後、大関昇進。21年夏場所中にコロナ禍のガイドライン違反が発覚し、6場所出場停止。22年名古屋場所で西三段目22枚目で再出発。23年夏場所で再入幕、昨年の夏場所で返り三役も全休。昨年の名古屋場所で負傷し3場所連続全休。得意は右四つ、寄り。188センチ、165キロ。