◇国内女子◇Vポイント×SMBC レディスゴルフトーナメント 事前(20日)◇紫CC すみれC(千葉)◇6668yd(パー72)国内ツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」で優勝争いの末に2位。早くも存在感を見せる申ジエは、残り2勝に迫…

◇国内女子◇Vポイント×SMBC レディスゴルフトーナメント 事前(20日)◇紫CC すみれC(千葉)◇6668yd(パー72)
国内ツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」で優勝争いの末に2位。早くも存在感を見せる申ジエは、残り2勝に迫った永久シードも今季中に決めそうな気配を感じさせる。そんな彼女の今シーズンを戦う14本をのぞいてみよう。

ドライバーはタイトリストの「GT3」へ。「小ぶりなヘッドが好き」と言うが、ヘッド体積430CCの「4」より「3」を選んだ理由を「『4』のほうが小ぶりですがスピン量が少なかった。『3』はほどよくディープでスピンが入る」と説明する。
実はこの新ドライバー探しの旅は、昨シーズン中に3カ月近くかけて行っていたそうだ。「夏ぐらいからGT3だけでもヘッドを5個近く、結局GT4など含めて計7個ぐらいの中から探してもらって、合うものを見つけました。その後はジェルを入れる場所も1gずつ細かく変えたりしてテスト。それでも使っていたエースシャフトだとちょっと合わなくて、シャフトを替えてみたらハマったんです」。10年以上も使い続けた藤倉コンポジットの「スピーダー エボリューション4」から、USTマミヤの「ATTAS V2」にスイッチした。「当たる瞬間が最近のヘッドは速いから、いい意味で鈍感なシャフトが良かった。その点『V2』の特性が新ヘッドとマッチしました」。女子ツアー随一の“クラブ通”のこだわりは細部にまで及ぶ。

キャロウェイのアイアン「APEX TCB」は4年目に突入。「アイアンも小ぶりが好き。デカいアイアンは楽しくないです。マッスルバック?小さくていいんですけど、ちょっとバウンスがあるほうが私は好き」。装着するグラファイトデザインのカーボンシャフト「ツアーAD AD-65 タイプII」は、もう10年以上使っている。「軽くて硬いほうが振りやすい」と65g台は女子ツアーでも珍しい。

ウェッジは昨シーズン途中から使っているボーケイ「SM10」だが、ロブウェッジにKグラインド(バウンス14度)を選んだ。「昔からハイバウンスが好き。アプローチでいろんな球を打ちますが、その時にバウンスが必要なんです。その使い方は本当にタイミングが重要なので、練習量があればハイバウンスも有効に使えると思います」。人一倍グリーン周りの練習に時間をかけるだけに説得力がある。具体的な使い方は改めて別の機会に聞いてみたい。

パターについては、撮影時に手にしていたのはスコッティキャメロンの新しい「スタジオスタイル」だったが、バッグにはピン、オデッセイ、テーラーメイドのパターも入っていた。「パターは試合の朝じゃないと決まらないです。先々週(ダイキンオーキッドレディス)も最初ピンを使って、またオデッセイに戻しました。テーラーも選択肢にあるし、私も分からない。朝の気持ちでいきますから」とのことだ。
ただ、どのモデルにも唯一の共通点がある。全部がブレード型。「最近はグリーンが重い。そうしたグリーンにはブレードタイプが合う。後ろに重心があるような大きなヘッドは、転がりは分かりやすいけど最後にスピードが落ちる。前に強さがあるのはやっぱりブレードパターです」。さらに、その週のグリーンの速さに応じて、パターに鉛を貼る。「当たる瞬間のヘッドの重さが欲しくて」と開幕戦では2.5gの鉛を装着。今週は鉛を貼らずに通常の重さに戻していた。
申ジエのクラブ話は聞けば聞くほど味わい深い。生涯獲得賞金歴代No.1(開幕戦終了時)になるには、ここまでクラブのことを考えねばいけないのだろうな…。
<申ジエの14本>

ドライバー:タイトリスト GT3(9度)
シャフト:USTマミヤ The ATTAS V2(重さ50g台、硬さS)

フェアウェイウッド: テーラーメイド ステルスプラス(3番 15度、5番19度)
シャフト:藤倉コンポジット SPEEDER NX(重さ50g台、硬さS)

ユーティリティ:テーラーメイド ステルス2 レスキュー(4番22度、5番25度)
シャフト:藤倉コンポジット MCH(重さ60g台、硬さS)
アイアン:キャロウェイ APEX TCB(6番~PW)
シャフト:グラファイトデザイン ツアーAD AD-65 タイプII(硬さS)
ウェッジ:ボーケイSM10(50、54、58度)
シャフト:日本シャフト NSプロ850GH(硬さS)
パター:スコッティキャメロン スタジオスタイル ニューポート

ボール:タイトリスト PRO V1<2023年>
*練習日撮影