◇米国男子◇バルスパー選手権 初日(20日)◇イニスブルックリゾート&GCコパーヘッドコース(フロリダ州)◇7352yd(パー71)最終18番、久常涼は左ラフから巧みなショットを見せた。160yd近く残っており、日没間際で冷たいアゲンスト…

シード選手として2年目のシーズンを過ごす久常涼※撮影は19日

◇米国男子◇バルスパー選手権 初日(20日)◇イニスブルックリゾート&GCコパーヘッドコース(フロリダ州)◇7352yd(パー71)

最終18番、久常涼は左ラフから巧みなショットを見せた。160yd近く残っており、日没間際で冷たいアゲンストの風も吹いていた。「ライが良かったんです」。低めの弾道でグリーン手前のガードバンカーを越えたエリアにキャリーし、5.5mのチャンスを演出。しっかり曲がるスライスラインを決められず、イーブンパー「71」で暫定39位につけて初日を終えた。

いつもの淡々とした口調にも悔しさがありあり。「ちょっと残念です」。強風に加えて雨が降る時間帯もあった難しい前半を3バーディ、2ボギーとアンダーで折り返したものの、グリーンの止まりやすさを感じた後半に伸ばせなかった。

「グリーンも軟らかかったですし、そんなに調子自体も悪くなかったので」。ティショットのスコア貢献度は「+1.424」でフィールド10番目、グリーンを狙うショットも「+1.628」で20番目だった。秀でたショット力をスコアに直結させられなかったもどかしさがにじむ。

200yd超のパー3となる15番はピン方向にうまくラインを出したショットが奥にこぼれた。「ラインは乗っていたけど、やっぱり(クラブが)大きかったなって」。ほんの数ヤードの誤差を生んだジャッジにシビアな姿勢を崩さない。

それでも、最後に加えた「そんなに上も伸びてない。このコース、伸びないですから。一打一打が大事になってくる」という言葉がシード選手として臨む2年目の蓄積を感じさせる。前年大会で4日間を戦ったことはもちろん、PGAツアーを1シーズン経験したことで、全体のスコアの出方などゲームの流れを予想して冷静に対処しようとしている。暫定トップとはまだ4打差。日没までの時間を惜しむように、すぐさまパッティンググリーンでボールを転がし始める姿もおなじみになってきた。(フロリダ州パームハーバー/亀山泰宏)