選抜高校野球大会は第4日の21日に1回戦があり、エナジックスポーツ(沖縄)が春夏通じて初めて甲子園に登場する。珍しいカタカナの校名を持つ創部3年目の新興校は、どんな学校なのだろうか。「ビジネスホテルみたい」 エナジックスポーツは20…

選抜高校野球大会は第4日の21日に1回戦があり、エナジックスポーツ(沖縄)が春夏通じて初めて甲子園に登場する。珍しいカタカナの校名を持つ創部3年目の新興校は、どんな学校なのだろうか。
「ビジネスホテルみたい」
エナジックスポーツは2021年創立の私立校で、当初は通信制のみだったが全日制も併設された。野球部は全日制で学ぶ。世界で活躍するトップアスリートの育成を掲げ、野球部とゴルフ部がある。
校舎は沖縄県名護市にあり、小学校だった建物を転用している。山と海に囲まれた小さな集落の中にあり、那覇市内からは車で1時間ほどで到着する。
22年に創部した野球部は全寮制で、約40人いる部員のほとんどが沖縄出身。寮は校舎から徒歩5分ほどの場所にあり、最大で2人部屋という。選手らは「ビジネスホテルみたいにきれいで快適ですよ」と口をそろえる。
食堂では朝昼晩の食事が提供される。「体は資本」という学校の方針から献立は豊富で、1日あたり4000キロカロリーが取れるようにしているという。米は400グラム前後食べるように炊飯器の前には計量器が置かれている。
近くの海岸で走り込み
練習グラウンドは校庭を再整備し、内野程度のスペースやブルペンを作った。ただ、長方形のグラウンドのため打撃練習などはできず、実戦形式の練習では名護市内などの球場を借りる。
筋力トレーニングをするスペースも教室の一部を再整備したが、室内練習場は新設されたという。
体幹などを強化するために週1回のピラティスを導入しており、専門のトレーナーから指導を受ける。近くの海岸でも走り込みなどをすることがあるという。
昨秋に学校初のプロ野球選手も誕生
指揮するのは神谷嘉宗監督(69)。08年夏に浦添商(沖縄)を甲子園4強、14年に美里工(沖縄)を初のセンバツに導いた。
「ノーサイン野球」を実践し、機動力を生かした攻撃が持ち味。24年春の沖縄大会で興南を降して初優勝を果たすと、夏の沖縄大会は優勝こそ逃したものの、再び興南との決勝で延長十回の熱戦を演じた。昨秋は九州大会で準優勝した。
昨秋のプロ野球ドラフト会議では、野球部1期生の龍山暖捕手が西武から6位指名を受け、学校初のプロ野球選手が誕生した。【林大樹】