◇米国男子◇バルスパー選手権 初日(20日)◇イニスブルックリゾート&GCコパーヘッドコース(フロリダ州)◇7352yd(パー71)見えないグリーン面に向かって打ち上げる最終18番は強いアゲンストの風が吹いていた。残り133ydの距離で大…

今季最高のスタートを切った大西魁斗※撮影は1月「ザ・アメリカンエキスプレス」

◇米国男子◇バルスパー選手権 初日(20日)◇イニスブルックリゾート&GCコパーヘッドコース(フロリダ州)◇7352yd(パー71)

見えないグリーン面に向かって打ち上げる最終18番は強いアゲンストの風が吹いていた。残り133ydの距離で大西魁斗が握ったクラブは50度。「どっちかというと、短いクラブで強く打ちました」。手応えは悪くなかったものの、スタンドからの拍手は控えめだった。

「バックスピンで手前まで落ちちゃったのかなと思った」とイヤな想像が膨らんだのは、今季の苦い経験があるから。アイアンでスピンがかかり過ぎ、アゲンストの風でショートするシーンを繰り返してきた。上5mのチャンスメークに成功したことを確認し、今週プロV1にボールをスイッチした効果を実感。「前だったら風にやられて、運が悪かったらバンカーに入っていたかも。やっぱりイメージはしやすくなりました」。こちらも初めて使う長尺パターで繊細に流し込み、バーディ締めで1アンダー「70」にまとめた。

内藤雄士コーチから、ここ数カ月の間にテストを提案されていた長尺パターのフィーリングは、まだ1日だけだがポジティブな部分もしっかり感じることができた。「ライン出しがすごく良くなった。上りのロングパットも、これまで使っていた短いパターだったらショートすることが多かった。転がりも強かったのは良かったと思います」。15番(パー3)では上から10m近いバーディパットを沈めるなど、スコア貢献度は「+2.070」でフィールド16番目につけた。

ライン読みでエイムポイントも取り入れるなど、変化を恐れずに今季6試合目でベストとなる暫定23位スタートを切った。ここまで予選落ちが続いた5試合も、スイングの状態など感覚は必ずしも悪くなかったという。「状態が悪かったら、(ギアを替えたり)何をしても一緒かもしれない。でも、いい時に思うような球筋、スピンに近づけて、何となく想像した感じで打てれば、絶対2打、3打は変わってくる」

チェンジに踏み切った理由を明かした上で「トップの選手は試してみる気持ちも強い。試してダメでも、そこに学びがある。マキロイ選手は今年もボールを替えたり、ドライバーもUberで持ってきてもらったんですよね?」とニヤリ。ロリー・マキロイ(北アイルランド)がボールを替えて早々に優勝へつなげたこと、「アーノルド・パーマー招待」最終日に旧モデルのウッドに戻すため、240㎞以上離れた自宅からUberでクラブを運んでもらった(チップ含めて1000ドル=約14万8000円払ったらしい…)海外のニュースもしっかりとチェックしているのは、英語が堪能な大西ならではだ。(フロリダ州パームハーバー/亀山泰宏)