◆レスリング (27~29日、新潟・新潟市東総合スポーツセンター) 15年ぶり全国の舞台で公立旋風を巻き起こす。昨秋の東海大会で3位に入り、久々に学校対抗戦の出場権をつかんだ焼津中央が、1回戦でノースアジア大明桜(秋田)と対戦。7人中5選手…

◆レスリング (27~29日、新潟・新潟市東総合スポーツセンター)

 15年ぶり全国の舞台で公立旋風を巻き起こす。昨秋の東海大会で3位に入り、久々に学校対抗戦の出場権をつかんだ焼津中央が、1回戦でノースアジア大明桜(秋田)と対戦。7人中5選手は高校からレスリングを始めた「初心者軍団」が、18年ぶり全国1勝を目指す。

 学校対抗戦は7階級で争われ、4勝以上すれば勝ち上がるシステム。焼津中央の男子部員は、ちょうど7人で全階級に配置できる布陣がそろった。不在の階級は「不戦敗」になるため、全カテゴリーで登録できることは、勝ち上がる上で重要な要素になる。

 グレコローマン55キロ級で2012年ロンドン五輪に出場した長谷川恒平(40)を弟に持つ長谷川拓也監督(42)は「たいていは一つぐらい階級がかぶるけど、全階級そろうのは久しぶり」と笑う。部員が集まりにくい公立の進学校で、体格が異なる選手が7人そろったことは「奇跡的」と、目を細めた。

 もちろん、強運だけでない。レスリング初心者が地道に力をつけた。特に、中学で空手道を習っていた125キロ級の横地悠樹(3年)は、全国切符を懸けた昨秋の東海大会での岐阜工(岐阜)戦に3勝3敗で迎えた最終戦でフォール勝ち。「勝ってホッとした」。チームで唯一、個人戦とのダブル出場を果たすほど、2年足らずで成長を遂げている。

 数少ないレスリング経験者の鈴木真主将(3年)は「全国でも全員が体重調整して、チーム一丸となって最低1勝したい」と、気合。全国的には無名の公立校が、強豪校に一泡吹かせる。(塩沢 武士)               

◇焼津中央レスリング部メンバー◇                          階級     選手名  学年 中学時代の部活動 

51 キロ 大野 瑞生  2 テニス

55 キロ 望月 康生  2 レスリング&サッカー

60 キロ 青木 風太  2 バスケットボール

65 キロ 鈴木  真  3 レスリング

71 キロ 沢井 颯汰  3 サッカー

80 キロ 吉井 大輝  3 パソコン

125キロ 横地 悠樹  3 空手道

◆沢井目指すはプロレスラー                         〇…71キロ級に出場する沢井颯汰(3年)は将来、プロレスラーを夢見ている。中学時代はサッカー部だったが、父の影響でプロレスファンになった。将来のため、レスリング部のある焼津中央への進学を決めた。特に新日の大ファンで、好きな選手は内藤哲也。「もう両親には思いを伝えてある。高校在学中にも、テストを受けたいと思ってます」と、目を輝かせた。