「ウエスタン、広島4-3くふうハヤテ」(20日、由宇球場) 間に合った!1月に左手有鉤(ゆうこう)骨を骨折し、手術を受けた広島・石原貴規捕手(27)が、21日のソフトバンクとのオープン戦(ペイペイ)から1軍に合流することが20日、明らかに…
「ウエスタン、広島4-3くふうハヤテ」(20日、由宇球場)
間に合った!1月に左手有鉤(ゆうこう)骨を骨折し、手術を受けた広島・石原貴規捕手(27)が、21日のソフトバンクとのオープン戦(ペイペイ)から1軍に合流することが20日、明らかになった。この日のウエスタン・くふうハヤテ戦(由宇)では「3番・捕手」で術後初のスタメン出場を果たし、2安打1打点の活躍。頼れる男が万全の状態で1軍に戻ってくる。
ようやくここまでたどり着いた。鋭いスイングと冷静なリードは、昨季の姿と変わりない。由宇球場に訪れた鯉党から“おかえり”の拍手を背に受けた石原は「100%で動けていますし、なんの問題もない。けがが治って、いざ本番かなと」と頼もしく言い切った。
1月の自主トレ中に左手有鉤(ゆうこう)骨を骨折。同月下旬に手術を受け、キャンプは3軍(リハビリ組)で調整を進めた。その後、「思ったよりも順調すぎるのかな」と描いていたプランよりも早い回復を見せ、3月14日のウエスタン・阪神戦(SGL)で九回に守備から出場し、実戦復帰。同18日のくふうハヤテ戦(由宇)でスタメン出場するも、降雪の影響でノーゲームとなり、この日が正式に復帰後初スタメンとなった。
完全復活を印象づけたのは三回だ。1死一塁から外角の変化球を逆らわずに捉えた。打球は右中間を破り、一走・上本が生還。二塁で大きく手を広げ喜びを表現した。五回1死の第3打席でも、しぶとく二遊間を破り、マルチ安打をマーク。「(打撃の感覚は)戻っているのかなと思う」と満足感を漂わせた。
守備でもさすがの存在感を見せた。初めてバッテリーを組んだ新外国人ドミンゲスを6回無失点の好リード。降板後には数分間話し込むなど、積極的にコミュニケーションを取り、「すごい良い球を投げてくれるので、僕もリードしやすかった」と開幕後もコンビを組む可能性がある右腕を、好投へ導いた。
攻守で万全の姿を見せ、満を持して21日から1軍に合流する。1軍捕手陣は、正捕手の坂倉が右手中指骨折の影響で復帰は5月以降になる見込み。厳しい台所事情で昨季、56試合に出場した石原の復帰はチームにとっても心強い。開幕まで残り3試合と時間は限られているが「今年まだ受けていない投手もいるので、コミュニケーションを取ってやっていけたら」と急ピッチで準備を進めていく。
「自分ができることをやって、チームに貢献できればいいなと思う。投手をどんどん助けられるように頑張ります」と石原。復帰して早々の昇格は大きな期待の表れ。1軍経験豊富な背番号32が、チームに安心感を与えていく。