「W杯アジア最終予選、日本代表2-0バーレーン代表」(20日、埼玉スタジアム) 日本代表、8大会連続8度目のW杯出場-。2026年W杯北中米3カ国大会の出場権をかけたC組第7戦で、日本代表はバーレーン代表を2-0で下して6勝1分けとし、過…

 「W杯アジア最終予選、日本代表2-0バーレーン代表」(20日、埼玉スタジアム)

 日本代表、8大会連続8度目のW杯出場-。2026年W杯北中米3カ国大会の出場権をかけたC組第7戦で、日本代表はバーレーン代表を2-0で下して6勝1分けとし、過去最速となる3試合を残して8大会連続8度目のW杯出場権を獲得した。開催国の米国、カナダ、メキシコを除いて世界各地の予選突破一番乗り。

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 最終予選での圧倒的な強さを語る上で、長友佑都の存在は欠かせない。昨年3月、カタールW杯以来、約1年3カ月ぶりに日本代表へ電撃復帰。以降は没収試合となったW杯アジア2次予選の北朝鮮戦を含めてチームは10戦9勝1分で無敗。最終予選全7試合ベンチ外でも縁の下の力的存在で、チームに好影響を与え続けた。

 24年1~2月のアジア杯でベスト8敗退に沈み、森保監督は再出発を図る次の活動で「さらなるパワーアップのために」とピッチ内外での貢献に期待を込めて長友を招集。久々の代表に意気揚々とチームに合流した長友だが、最初に感じたのは違和感だった。「元気がないと思った」。カタールW杯では「ブラボー!」とチームを鼓舞し続けた男は動かずにいられなかった。

 練習では率先して声を出し、若手世代には日本代表を背負う誇りを伝えていった。ただ、初めのころは「熱すぎて引かれるというか、自分が取り残されてる感覚になっていた」と本音を吐露。海外のビッククラブでプレーする選手が増えた影響か、自身が若手時代に本田圭佑、香川真司、長谷部誠、川島永嗣らと語り合ってきたころとの温度差を痛感したという。

 それでも長友は思いをぶつけ続け、見事に“口説いて”みせた。「今はお互い、食事の席でも熱い話をしている。自分のエネルギーとか熱いものを後輩たちが受け入れてくれ始めたなっていう感覚がある」とうなずく。

 選手も長友の影響力の大きさを口にする。代表常連組の鎌田が「佑都くんを見ていたらみんなが“代表にいる価値”っていうのを感じられる。代表にいることは特別なことで、みんなが目指すべき場所、自分たちが目指していた場所だと。当たり前に感じなくなりました」と言えば、30歳の南野は「ぎらぎらして、長友選手に負けないようにしたい」とチーム4番目の年長者としての自覚を持つようになった。

 代表で試合に出られない状況が続き「毎日毎日、悔しくて、泣きそうになりますよ」と長友。自身のふがいなさに苦しみながらも、表ではチームに活気をもたらし続ける。「目指すのはW杯で試合に出て活躍して、このチームを勝たせること」。怖いくらいに真っすぐな目は、自身5度目のW杯出場を見据えていた。