「選抜高校野球・1回戦、山梨学院5-1天理」(20日、甲子園球場) 天理(奈良)は逆転負けで、2021年以来の春センバツ勝利はならなかった。 ◇ ◇ 初めての甲子園の景色は感動とともに悔しさが残った。今秋のドラフト候補としても注目され…
「選抜高校野球・1回戦、山梨学院5-1天理」(20日、甲子園球場)
天理(奈良)は逆転負けで、2021年以来の春センバツ勝利はならなかった。
◇ ◇
初めての甲子園の景色は感動とともに悔しさが残った。今秋のドラフト候補としても注目される赤埴幸輝(3年)内野手。4点ビハインドの九回、外角高めの直球を仕留めきれず、右方向への大飛球がフェンス手前で失速し、天を仰いだ。
「小さい頃から目指してきた場所でプレーできるうれしさはありましたけど、やっぱり1勝しないと何も…。すごく力不足だと感じた」
父・智博さん(54)も兄・克樹さん(19)も天理高で聖地に出場。野球一家に生まれた赤埴は、兄がキャッチボールをしている姿に憧れて自然と白球を追いかけていた。天理のユニホームに袖を通したのも「お兄ちゃんを追いかけて」と、同じ道をたどった。
私生活から尊敬する兄が「(甲子園は)すごくいいところや」と言っていた場所。だが、兄が出場した22年夏は、あえて現地で応援せずにテレビで観戦した。その景色や雰囲気を自分の力で直接感じたいから。初回の第1打席でバッターボックスに立つと、自然に口角が上がっていた。
「思っていたような景色というか、楽しさがすごく湧いてきて」と甲子園を堪能した一方で、冷静に敗戦と向き合う。「すごく悔しいけど、これが実力。一回り、二回り大きくなって最後の夏は絶対に甲子園に帰ってくる」と力強くカムバックを誓った。
◆赤埴 幸輝(あかはに・こうき)2007年5月5日生まれ、17歳。大阪市出身。181センチ、74キロ。内野手。右投げ左打ち。小学1年で大阪クーガースで野球を始め、今津中では大阪東ボーイズに所属。天理では1年春からベンチ入り。遠投105メートル、50メートル走6・1秒。